極値現象の統計分析 ―裾の重い分布のモデリング―
A5/432ページ/2021年03月01日
ISBN978-4-254-12256-5 C3041
定価7,920円(本体7,200円+税)
S.I.レズニック 著/国友直人 ・栗栖大輔 訳
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「頻度は小さいが規模が大きい事象」のデータ分析を扱う統計的極値論の決定版テキスト。自然災害,経済・金融・通信などのリスク管理への応用を念頭に,理論面を体系的に解説.数理的準備,統計分析,確率,事例展開,付録の5部構成。
目次
1. 序章 1.1 はじめに 1.2 展望 1.3 裾の重い現象といくつかの例 ネットワーク・データ/金融からの例/保険と再保険
第I部 数理的準備 2. 準備I:正則変動性 2.1 解析学からの準備 一様収束/単調関数の逆関数/単調関数の収束/コーシーの関数方程式 2.2 正則変動:定義と性質 最大吸引域 2.3 正則変動性:カラマタの定理 一様収束/積分とカラマタの定理/カラマタ表現/微分 2.4 正則変動性の性質 2.5 演習問題
3. 準備II:弱収束,裾の重い分布への応用 3.1 定義 3.2 弱収束の基本的性質 ポートマント定理/スコロホッドの定理/連続写像定理/部分列とプロホロフの定理 3.3 有用ないくつかの距離空間 R^d, 有限次元のユークリッド空間/R^inf, 数列空間/C[0;1] とC[0;1), 連続関数の空間/D[0;1] とD[0;1) /ラドン測度と点測度,漠収束 3.4 弱収束の証明法 裾の重い分布の分析に有用な空間の利用法/ドンスカーの定理 3.5 ある収束から別の収束へ スルツキーの近似/各種の収束の合成/反転法 3.6 漠収束と正則変動性 3.7 演習問題
第II部 統計分析入門 4. 統計分析の基礎 4.1 裾の重い分布の推測:αの推定 4.2 超過量,閾値およびPOT 法 超過値/超過時刻;部分列原理/POT 4.3 裾経験測度 4.4 ヒル推定量 乱測度とヒル推定量の一致性/ヒル推定量の実際/さまざまなヒルプロット 4.5 他の推定量I:ピッカンドの推定量 極値理論/ピッカンド推定量 4.6 その他の推定量II:QQ プロットとQQ 推定量 分位点-分位点(QQ) プロット:準備/QQ プロット:方法/QQ プロットと位置-スケール族/裾が重い分布への応用:データの裾は重いか?/追加的注意点と関連事項/QQ推定量 4.7 バリュー・アット・リスクをどう求めるか? 4.8 演習問題
第III部 確 率 5. ポアソン過程 5.1 乱測度としてのポアソン過程 ポアソン過程の定義と性質/点過程の変換/マーク付き点過程への拡張 5.2 データ送信の統計モデル 背景/確率モデル/長期従属性/ノード無限個のポアソンモデル/裾の重い分布と長期従属性 5.3 ラプラス汎関数 定義と性質/ポアソン過程のラプラス汎関数 5.4 なぜラプラス汎関数が有用なのか? ラプラス汎関数と弱収束/ポアソン過程の構成方法/ポアソン点過程の位置依存型のマーク付きポアソン点過程への拡張 5.5 レヴィ過程 伊藤の方法によるレヴィ過程の構成/レヴィ過程の基本的な性質/レヴィ過程の標本経路の基本的な性質 5.6 極値過程 極値過程の構成/関連事項 5.7 演習問題
6. 多変量正則変動関数とポアソン過程 6.1 多変量正則変動関数 多変量正則変動関数/極座標変換/一点非コンパクト化/確率測度に対する多変量正則変動性 6.2 ポアソン変換 6.3 多変量閾値超過モデル 6.4 裾の重い確率現象に対してブートストラップ法が使えるか? 具体例/ブートストラップ標本数についての注意点 6.5 多変量正則変動確率分布への補足事項 具体例/極限測度νの一般表現/多変量正則変動分布の一般的な構成法/正則変動密度関数/正則変動関数の定義域の非負制約の緩和/各成分ごとに正則変動としての挙動が異なる場合 6.6 演習問題
7. 弱収束とポアソン過程 7.1 極値の性質 多変量極値の確率変数への弱収束/多変量極値の極値過程への弱収束 7.2 部分和過程の性質 部分和過程のレヴィ過程への弱収束/安定過程への弱収束/汎関数の連続性 7.3 正則変動分布の変換 正則変動確率変数の和/正則変動確率ベクトルと確率変数の積/ラプラス変換 7.4 演習問題
8. 応用確率モデルと裾が重い分布 8.1 長期観測の場合の累積通信モデル モデルの概観/臨界的(クリティカル) 入力率/緩慢増大条件下での累積入力の安定過程による近似 8.2 ネットワーク稼働率(アクティビティレート) の確率モデル α,β< 1 の場合の平均の性質/0< α < 1 の場合の再生計数関数N(t) の性質/α, β < 1 かつ裾の重さが同程度の場合の稼働率/0 < α,β < 1 かつF_on の裾が重い場合の稼働率の性質 8.3 データ通信が裾の重い分布に従う場合の極限定理 待ち時間過程の短期コース/処理時間が裾の重い分布に従う場合の待ち行列の近似/負のドリフトをもつランダムウォークの近似/負のドリフトをもつランダムウォークの上限の近似/裾の重い通信モデルの近似の証明 8.4 演習問題
第IV部 統計分析の展開 9. 統計分析の諸話題 9.1 漸近正規性 裾経験測度の漸近正規性/ヒル推定量の漸近正規性 9.2 多次元の裾の重い分布の推定 極端な事象間の相互依存性/推定:標準的場合/推定:非標準的場合/k をどのように選ぶか? スタリッツプロット 9.3 分析例 インターネット・データ/為替レート/保険 9.4 裾依存性の係数と隠れ正則変動性 隠れ正則変動性/簡単な特徴付け/2 つの例/隠れ正則変動性の検出 9.5 標本相関関数 概論/極限理論/裾が重い場合の標本acf;α < 1/古典的な標本acf;1 < α < 2/利用上のアドバイス 9.6 演習問題
第V部 補論 10. 本書の記号と表現 10.1 ベクトルによる表現 10.2 記号のまとめ
11.ソフトウェア 11.1 一次元分析 ヒル推定/QQ プロット/極値理論の推定量 11.2 多次元の分析 角分布の推定/スタリッツ・プロット
文 献 訳者あとがき 索 引
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