現代物理数学ハンドブック

新井 朝雄(著)

新井 朝雄(著)

定価 19,800 円(本体 18,000 円+税)

A5判/736ページ
刊行日:2005年05月28日
ISBN:978-4-254-13093-5 C3042

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内容紹介

辞書的に引いて役立つだけでなく,読み通しても面白いハンドブック。全21章が有機的連関を保ち,数理物理学の具体例を豊富に取り上げたモダンな書物。〔内容〕集合と代数的構造/行列論/複素解析/ベクトル空間/テンソル代数/計量ベクトル空間/ベクトル解析/距離空間/測度と積分/群と環/ヒルベルト空間/バナッハ空間/線形作用素の理論/位相空間/多様体/群の表現/リー群とリー代数/ファイバー束/超関数/確率論と汎関数積分/物理理論の数学的枠組みと基礎原理

編集部から

【書評】
『数学 第58巻 第3号 2006年7月』(日本数学会)の「書評」欄で、
黒田成俊氏により、「・・・敢えて推測するに、量子物理の数理の第一線研究者である著者が、長年の間に研究の基礎として自分の頭脳の中に体系化して納めてきた数学、それを有りのままの形で書き下ろして出来たのが本書なのであろう。それが本書の隠れた個性であり、大部な本書をハンドブックの乾燥感なしに自然に読んでいける理由、本書のユニークな価値なのではないかと評者は考える。・・・」と、ご紹介いただきました。

目次

1. 集合,写像,代数的構造
 1.1 集合
 1.2 写像
 1.3 関係
 1.4 集合の濃度
 1.5 順序集合における基本概念とツォルンの補題
 1.6 代数的構造Ⅰ
2. ベクトル空間
 2.1 ベクトル空間の定義と基本概念
 2.2 ベクトル空間の直和
 2.3 商ベクトル空間
 2.4 線形作用素
 2.5 線形作用素のトレース
 2.6 双対空間
 2.7 第二双対空間と双線形形式
 2.8 対称形式,準双線形形式,エルミート形式
 2.9 アファイン空間
 2.10 実ベクトル空間の複素化
 2.11 複素構造
3. テンソル代数
 3.1 多重線形写像
 3.2 双対ベクトル空間のテンソル積
 3.3 ベクトル空間のテンソル積
 3.4 テンソルの積演算
 3.5 共変テンソル
 3.6 反変テンソル
 3.7 混合テンソル
 3.8 テンソル積空間上の線形作用素
 3.9 対称テンソルと反対称テンソル
 3.10 対称テンソル空間と反対称テンソル空間の構造
 3.11 共変テンソル空間
 3.12 対称代数と正準交換関係の表現
 3.13 外積代数(グラスマン代数)と正準反交換関係の表現
 3.14 線形作用素の行列式
 3.15 ベクトル空間の向きと体積要素
 3.16 シンプレクティックベクトル空間
4. 計量ベクトル空間
 4.1 内積空間
 4.2 内積空間の幾何学
 4.3 グラム-シュミットの直交化法と有限次元内積空間における正規直交基底の存在
 4.4 半正走値内積空間
 4.5 一般の計量ベクトル空間
 4.6 ミンコフスキーベクトル空間
 4.7 展開定理
 4.8 計量アファイン空間
 4.9 線形汎関数の表現定理と双対ベクトル空間の計量
 4.10 共役作用素,対称作用素,反対称作用素
 4.11 テンソル空間の計量
 4.12 演算積
 4.13 ホッジのスター作用素
 4.14 3次元ユークリッドベクトル空間におけるベクトル積
 4.15 位相的概念
 4.16 実計量ベクトル空間の複素化
5. ベクトル空間上の解析学
 5.1 ベクトル場
 5.2 1変数のベクトル値関数-曲線
 5.3 特殊相対性理論への応用
 5.4 曲面
 5.5 スカラー場
 5.6 ベクトル場と基本的な積分定理
 5.7 ベクトル場の微分,発散,ラプラシアン,回転
 5.8 3次元ユークリッド空間における積分定理
 5.9 テンソル場と微分形式
 5.10 古典電磁気学への応用
 5.11 シンプレクティック空間と力学のハミルトン形式
6. 距離空間
 6.1 定義
 6.2 直積距離空間
 6.3 位相的諸概念
 6.4 連続写像
 6.5 完備な距離空間とベールのカテゴリー定理
 6.6 完備化
 6.7 縮小写像と不動点定理
 6.8 不動点定理の応用例-常徴分方程式の解の存在
7. 測度と積分
 7.1 ボレル集合体と測度
 7.2 外測度による測度の構成法と拡張定理
 7.3 いくつかの基本的事実
 7.4 零集合と完備性
 7.5 測度の台
 7.6 n次元ルベーグ測度の性質
 7.7 可測関数とルベーグ積分
 7.8 n次元ルベーグ積分の基本的性質
 7.9 Rn上の測度の弱収束
 7.10 極限定理
 7.11 積分と微分の順序交換
 7.12 フビニの定理
 7.13 特異性と絶対連続性
 7.14 加法的集合関数と変数変換公式
 7.15 確率空間
 7.16 応用:ポアンカレの再帰定理
 7.17 ハウスドルフ測度
8. 代数的構造II
 8.1 半群
 8.2 群
 8.3 変換群
 8.4 対称性
 8.5 部分群
 8.6 商群と同型定理
 8.7 直積群
 8.8 群の作用
 8.9 環
 8.10 代数の構造
 8.11 自由代数
 8.12 リー代数
 8.13 リー超代数
 8.14 クリフォード代数
 8.15 ヨルダン代数
 8.16 カテゴリーとファンクター
9. ヒルベルト空間
 9.1 定義と例
 9.2 閉部分空間と直交補空間
 9.3 正射影定理
 9.4 ヒルベルト空間の双対空間とリースの表現定理
 9.5 ヒルベルト空間における無限級数と完仝正規直交系
 9.6 稠密性
 9.7 関数空間の例
 9.8 可分性とCONSの存在
 9.9 ヒルベルト空間の同型
 9.10 内積空間の完備化
 9.11 直和ヒルベルト空間
 9.12 弱位相
 9.13 ヒルべルト空間のテンソル積
 9.14 L2空間のテンソル積
 9.15 フォック空間
 9.16 ヒルべルト空間値のL2関数の空間とテンソル積
 9.17 ヒルベルト空間値関数の積分
 9.18 ヒルベルト空間の直積分
 9.19 4元数的ヒルベルト空間
10. バナッハ空間
 10.1 ノルム空間
 10.2 バナッハ空間
 10.3 有界線形作用素の空間
 10.4 有界線形作用素の空間の同型
 10.5 双対空間
 10.6 ハーン-バナッハの定理
 10.7 第2共役空間と回帰性
 10.8 バナッハ空間の直和と商空間
 10.9 バナッハ空間における諸原理
 10.10 バナッハ空間における収束の諸相
11. バナッハ空間上の微分学と変分学
 11.1 写像の連統性とバナッハ空間における曲線の微分
 11.2 曲線に関する微分
 11.3 フレッシェ微分
 11.4 合成写像と逆写像に関する定理
 11.5 同相写像と微分同相写像
 11.6 バナッハ空間値関数のリーマン積分
 11.7 平均値の定理
 11.8 高階の微分
 11.9 オイラー-ラグランジュ方程式-古典物理学における変分原理
 11.10 変分問題と変分法
12. 位相空間
 12.1 位相空間の定義
 12.2 基本的な位相的概念
 12.3 連続写像と位相写像
 12.4 位相空間上の弱位相
 12.5 分離性と可算性
 12.6 等化空間
 12.7 連結性
 12.8 ホモトピー,基本群,被覆空間
 12.9 有向点族と収東性
 12.10 コンパクト性,局所コンパクト性,パラコンパクト性
 12.11 コンパクト・ハウスドルフ空間上の連続関数の空間の性質
 12.12 コンパクト空間上の測度論
 12.13 バナッハ空間における弱位相と双対空間における汎弱位相
 12.14 位相群
 12.15 ファイバー・バンドル
 12.16 局所凸空間とフレッシェ空間
13. 多様体
 13.1 多様体の定義
 13.2 Rnにおける曲線座標系
 13.3 可微分写像
 13.4 接空間とベクトル場
 13.5 接ベクトル束と余接ベクトル束
 13.6 部分多様体
 13.7 多様体上の古典力学-ラグランジュ形式
 13.8 1パラメーター変換群
 13.9 多様体上のテンソル場と微分形式
 13.10 ポアンカレの祁題とド・ラームコホモロジー群
 13.11 テンソル場のリー微分
 13.12 微分形式の積分
 13.13 積分定理
 13.14 シンプレクテイツク幾何学-力学のハミルトン形式
 13.15 複素多様体
 13.16 リー群とそのリー代数
 13.17 ベクトル値徴分形式
 13.18 ファイバー束とゲージ理論
14. リーマン幾何学
 14.1 広義リーマン多様体
 14.2 部分多様体の広義リーマン計量
 14.3 等距離写像,無限小運軌,平坦さ
 14.4 線形接続
 14.5 平行移動と測地線
 14.6 据率と曲率
 14.7 リーマン接続
 14.8 重力埋論への応用-一般相対性理論
 14.9 広義リーマン多様体における積分定理
 14.10 スター作用素,余微分作用素,ラプラス-ベルトラミ作用素
 14.11 大域的ないくつかの性質
 14.12 ゲージ理論への応用
15. バナッハ空間における線形作用素
 15.1 ベクトル空間における線形作用素に関する基本的概念
 15.2 バナッハ空間上の線形作用素
 15.3 有界作用素のバナッハ空間共役
 15.4 複素変数のバナッハ空間値関数
 15.5 閉作用素と可閉作用素
 15.6 レゾルヴェントとスペクトル
 15.7 コンパクト作用素
 15.8 線形作用素の半群
 15.9 発展方程式への応用
16. ヒルベルト空間における線形作用素
 16.1 共役作用素
 16.2 閉作用素と可閉作用素
 16.3 ユニタリ作用素の特徴づけとスペクトルのユニタリ不変性
 16.4 自己共役作用素
 16.5 直和ヒルベルト空間上の作用素
 16.6 作用素値汎関数とスペクトル定理
 16.7 ストーンの定理
 16.8 強連続1パラメーター半群-熱半群
 16.9 L2空間におけるフーリエ解析
 16.10 絶対連続スペクトルと特異スペクトル
 16.11 自己共役作用素の強可換性と強反可換性
 16.12 準双線形形式と自己共役作用素
 16.13 部分等長作用素と極分解
 16.14 非有界作用素の収束
 16.15 トロッター積公式
 16.16 コンパクト作用素
 16.17 シャッテンクラス作用素
 16.18 テンソル積
 16.19 最小-最大原理
 16.20 無限行列式
 16.21 フレドホルム作用素
17. 超関数の理論
 17.1 試験関数の空間
 17.2 超関数
 17.3 超関数の空間における収束と完備性
 17.4 超関数に関するいくつかの概念
 17.5 デルタ超関数に対する近似関数列の一般的クラス
 17.6 超関数の微分
 17.7 緩増加超関数
 17.8 緩増加超関数に関する演算
 17.9 正則化-くりこみ
 17.10 緩増加超関数のフーリエ変換
 17.11 合成積とフリードリクスの軟化作用素
 17.12 測度のフーリエ変換とポッホナーの定理
 17.13 ソボレフ空間と弱解の正則性
 17.14 超関数と解析関数
 17.15 ベクトル値超関数と作用素値超関数
18. 代数系の表現論
 18.1 定義
 18.2 基本的な代数系の表現と例
 18.3 群の表現の型
 18.4 群の表現の構造
 18.5 不変測度とハール測度
 18.6 群のユニタリ表現
 18.7 群の表現の既約性
 18.8 群の表現の指標
 18.9 SU(2)とSO(3)の既約表現
 18.10 リー代数の表現
 18.11 su(2)とso(3)の表現
 18.12 ハイゼンベルク型リー代数の表現-正準交換関係の表現
 18.13 無限白由度のCCRの表現
 18.14 GNS構成法
 18.15 C*代数とフォン・ノイマン代数
 18.16 ウイグナーの定理と射影空間
19. 確率論と汎関数積分
 19.1 確率論における初等的概念
 19.2 ガウス型確率変数
 19.3 ガウス型確率ベクトル
 19.4 確率変数のウイック積
 19.5 確率過程
 19.6 ファインマン-カッツの公式
 19.7 確率積分
 19.8 無限次元の確率過程
 19.9 ユークリッド的量子場と経路積分表示
20. 物理学の基礎理論の数学的枠組みと原理
 20.1 古典力学(ニュートンカ学)
 20.2 解析力学
 20.3 特殊相対性理論
 20.4 一般相対性理論
 20.5 古典場の理論
 20.6 量子力学
 20.7 量子場の理論
 20.8 統計力学
■付録A. 不等式
 A.1 数と級数に関する不等式
 A.2 積分不等式
 A.3 一般化されたゴールデン-トンプソン不等式
索 引

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