やさしく物理 ―力・熱・電気・光・波―

夏目 雄平(著)

夏目 雄平(著)

定価 2,750 円(本体 2,500 円+税)

A5判/144ページ
刊行日:2015年05月25日
ISBN:978-4-254-13118-5 C3042

ネット書店で購入する amazon e-hon 紀伊國屋書店 honto Honya Club Rakutenブックス

書店の店頭在庫を確認する 紀伊國屋書店 旭屋倶楽部

内容紹介

理工系の素養,物理学の基礎の基礎を,楽しい演示実験解説を交えてやさしく解説。〔内容〕力学の基本/エネルギーと運動量/固い物体/柔らかい物体/熱力学とエントロピー/波/光の世界/静電気/電荷と磁界/電気振動と永遠の世界

編集部から

 「なつめ」の「ブツリ」,開講します.
 本書は,長年教鞭をとってきた著者が,「物理を専門にしない」学生と一緒に物理を学ぶために作った教科書です.高校までに学んだ各分野からテーマを取り上げつつも,数学的な世界を広げるだけでなく,「大学生」の物理として,新たな発見があることを目指し,次のような方針で執筆されています.
①「世界」が分子や原子のような「ものすごく小さなもの」の集まりでできていることに目を向けます.「小さなもの」どうしが結びついたり離れたりする力,運動する力がより大きな物理現象につながるという視点で,「力・熱・電気・光・波」の各分野を記述しました.
②演示実験の雰囲気を盛り込みました.身のまわりにあるもので,物理の実験はいつでもできるのです.
③網羅的であることにこだわりません.物理を学ぶことを,楽しみに変えられるきっかけになることが目的です.多少の偏りがあってもよいのです.

目次

本書で扱う変数の記号・名前・意味・単位
1 「物理」の基盤
 1.1 次元と単位
 1.2 次元の立体格子点表示
 1.3 示量的変数と示強的変数
 1.4 力の起因
 1.5 容器に入れた気体の圧力
2 力学の基本
 2.1 力と運動の関係
 2.2 運動とは何か?
 2.3 曲がりつつ加速する運動への一般化
 2.4 何の力も働いていない場合の運動
 2.5 円運動
 2.6 直線等加速度運動
 2.7 運動を記述する基礎方程式
 2.8 摩擦の働きと最終速度
 2.9 単振動─あらゆる分野の基礎概念─
3力学エネルギー(作業によって溜まるもの)と摩擦の問題
 3.1 ポテンシャル
 3.2 2 次元の調和振動子
 3.3 エネルギー概念の有用性
 3.4 摩擦
4 運動量概念と多質点系の問題
 4.1 2体問題
 4.2 多粒子系・多体系
 4.3 質点系の角運動量
5 固い物体を扱う
 5.1 剛体のつり合い
 5.2 剛体の運動──ある軸のまわりの回転
 5.3 連続体剛体の慣性モーメントの求め方
 5.4 軸のまわりに回転できる円板に糸をかけて両側に重りを付けたときの運動
 5.5 剛体の角運動量の保存の実験例
6 ぶよぶよした物体はどうなる
 6.1 コンニャクの変形
 6.2 フックの法則
 6.3 弾性体に蓄えられるエネルギー
 6.4 弾性体から流体への道
 6.5 水の表面張力
7 熱と温度
 7.1 気体の記述
 7.2 時間の流れの向きと「熱力学第2 法則」
 7.3 内部エネルギー
 7.4 準静的過程
 7.5 現象論としての巨視的熱力学
 7.6 比熱亜定積変化亜定圧変化
 7.7 断熱変化と等温変化
8 熱学の展開──エントロピー概念の導入
 8.1 理想気体の等温膨張
 8.2 膨張の前後で変わるもの
 8.3 熱学の進展がもたらしたもの
 8.4 外部からの熱によって動く熱機関として──カルノーサイクル
 8.5 カルノーサイクルでのエントロピーの変化
 8.6 エントロピー増加過程
9 波の表現
 9.1 模様が進む
 9.2 進む模様の記述
 9.3 弦の振動
 9.4 音
 9.5 ホイヘンスの原理
 9.6 うなりの概念
 9.7 進んでいる2 つの波のうなりと群速度の概念
10 光の世界に住んでいる私たち
 10.1 回折
 10.2 屈折
 10.3 散乱
 10.4 干渉
 10.5 物を見るとは何か──乱反射の重要性
 10.6 偏光
 10.7 光と熱
11 静電気──電荷が止まっている場合の性質
 11.1 クーロン力
 11.2 静電気実験
 11.3 電位
 11.4 電場
 11.5 コンデンサー
 11.6 静電遮蔽
12 定常電流──電荷の流れを制御しよう
 12.1 結晶
 12.2 電池
 12.3 オームの法則
 12.4 抵抗率
 12.5 ジュール熱
 12.6 電気ヒーターで暖めることとエントロピー発生の関係
 12.7 抵抗の接続──並列と直列
 12.8 抵抗が電圧に比例しない系──電球
 12.9 非定常な系への適用──コンデンサーへ充電した電荷を抵抗に流すと
13 電荷の動きは磁界を生む
 13.1 磁石の作る磁界
 13.2 電荷の動きが磁場を作る
 13.3 磁場と磁束密度
 13.4 ローレンツ力
 13.5 モーターへの道
 13.6 フレミング左手の法則を表す外積の式
 13.7 荷電粒子の真空中での運動
 13.8 電磁誘導
14 電荷の回路中の電気振動が生む永遠の世界
 14.1 電気振動回路
 14.2 回路の電荷・電流を記述する方程式
 14.3 変動は繰り返す
 14.4 電気的な単振動
 14.5 C とLを小さくしていった極限──真空の励起へ
 14.6 変位電流
 14.7 光
 14.8 光は横波
 14.9 私達の宇宙「真空」の誕生
15 私たちのまわりにある本当の世界?
 15.1 回路中を流れる電子の速さ
 15.2 ポインティングベクトル
 15.3 電磁気学から量子力学の世界へ
 15.4 物の在り方
あとがきにかえて
索引

執筆者紹介

関連情報

ジャンル一覧

ジャンル一覧

  • Facebook
  • Twitter
  • 「愛読者の声」 ご投稿はこちら 「愛読者の声」 ご投稿はこちら
  • EBSCO eBooks
  • eBook Library