現代民俗誌の地平 3 記憶

岩本 通弥(編)

岩本 通弥(編)

定価 5,060 円(本体 4,600 円+税)

A5判/256ページ
刊行日:2003年10月20日
ISBN:978-4-254-50523-8 C3339

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内容紹介

語りの根拠である「記憶」を問い直し,現代における記憶の扱いを介して今の暮らしのあり方を描く〔内容〕阪神・淡路大震災と慰霊/記憶の暴力/記憶から声へ/都市祭礼をめぐる語り/トポグラフィティ/白川郷の記憶/フォークロリスムス/他

編集部から

目次

  総論 方法としての記憶
  ―民俗学におけるその位相と可能性
 0.1 記憶論と民俗学
 0.2 記憶の位相と聞き書きという技法
 0.3 フォークロリズムと記憶の政治学
 0.4 本巻の構成
 Ⅰ部 記憶と記念
 第一章 阪神・淡路大震災と慰霊
  ―「震災モニュメント」以前
 1.1 震災死者をとりまく状況
 1.2 震災死者への「弔い」・「慰霊」・「追悼」
 1.3 「震災の記憶」をめぐつて
 第二章 記憶の暴力
  ―新潟県佐渡の戦歿者祭祀と御霊化過程
 2.1 戦死者の霊の行く方――累積された死の異常性
 2.2 「記憶の場」としての戦歿者祭祀
 2.3 忘却から記念へ――墓碑を遺すということ
 2.4 再記憶化と御霊――没後五〇年を迎えて
 第三章 記憶から声へ
  ―共同作業としての民俗誌の可能牲
 3.1 民俗誌(民族誌)作成の新たな状況
 3.2 なぜ記憶が問題になるのか
 3.3 共同作業としての民俗誌(民族誌)への視点
 3.4 民俗誌の再利用
 3.5 記憶から声ヘ――現代民俗誌の可能性
 Ⅱ部 身体の記憶
 第四章 風景に刻み込まれた記憶と短歌
 ―山村と林業の近規代
 4.1 風景に刻み込まれた記憶
 4.2 Ⅰさんのプロフィールと山北林業
 4.3 労働の記憶と世代の連続性意識
 4.4 人生の折り目の記憶と林業の活況
 4.5 歌を詠むという戦略と林業の現在
 第五章 身体化する規範
 ―近代の禁煙・禁酒と未成年
 5.1 禁煙法・禁酒法の制走過程
 5.2 禁煙・禁酒運動の拡大要因
 5.3 不良少年の増大と学間の責任
 第六章 都市祭礼・小倉祇園太鼓をめぐる語り
 ―獲得される「場所性」
 6.1 生き続ける祭礼
 6.2 メディアを取り込んだ記憶
 6.3 記憶の生成
 6.4 太鼓の受雛
 第七章 トポグラフィティの民俗誌
 ―京都のトポグラフィティについて私が考えている二、三のことがら
 7.1 問題の所在:記憶・場所・トポグラフィティ
 7.2 福大明神社:考証・縁起・実践
 7.3 十念の辻:書かれたトポグラフィティ
 7.4 日降坂:語られたトポグラフィティ
 Ⅲ部 記憶と郷愁
 第八章 観光客にとっての祭礼、地城にとっての祭礼
 ―沖縄竹富島の種子取祭から
 8.1 沖縄観光の現在
 8.2 民芸の島、観光の島
 8.3 種子取祭と奉納芸能
 8.4 祭礼に集う人びと
 第九章 世界遺産「白川郷」の「記憶」
 9.1 調査地の概要
 9.2 「合掌造り」と「文化遺産」保護制度
 9.3 「修景」という名の再創造
 9.4 残された裁量
 第十章 記憶とフォークロリスムス
 10.1 フォークロリスムスの発見
 10.2 フォークロア・民衆文化・フォークロリスムス
 10.3 記憶・過去・フォークロリスムス
 10.4 フォークロリスムスの民俗誌
索 引

執筆者紹介

【編集者】岩本通弥
【執筆者(執筆順)】岩本通弥,蘇理剛志,川森博司,矢野敬一,青木隆浩,中野紀和,土居 浩,森田真也,才津祐美子,法橋 量

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