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最終更新日:2018.12.07

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方言の語彙 ―日本語を彩る地域語の世界―

方言の語彙

A5/216ページ/2018年10月10日
ISBN978-4-254-51668-5 C3381
定価3,996円(本体3,700円+税)

小林隆 編

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紀伊國屋書店 旭屋倶楽部 東京都書店案内

方言の語彙を自然,歴史,発想,分布,世代,継承など様々な視点から探る。〔内容〕風と天候/生活・生業/キリシタン文化/発想法/接尾辞「コ」/育児語/語源と歴史/地方語文献/分布と変動/現代の動態/若者世代/継承と教育/他

編集部から

○本シリーズについて
「推薦のことば」より
「語彙という黄金の釘」  国文学者・中西 進先生より
 越中の国にあったある日,大伴家持は珠洲の海を船出して夕刻に長浜の浦に碇泊,湾上に月光を仰ぎ見たという。
 すなわち長浜には,大きい湾曲があり,海上の旅人を安堵させる地形が必要だろう。では和語のウラは漢語の湾と等しいのか。
 『日本国語大辞典』は両者にほぼ同一の意味を与えるし,家持自身も題詞に「長浜湾」と書き,歌では「奈我波麻能宇良(ながはまのうら)」と書く。どうやら浦を湾と理解して,家持の安堵感を納得してよいらしい。
 しかし同辞書にはウラの語源の一つとして奥里将建の蒙古語nura(湾)説をあげるばかりだ。素人のわたしは,ウラの語源は「湾」(『集韻』烏関切)だといってほしいのに。
 それほどに本格的な語彙論が待望される。語彙論は原子物理学の素粒子論と同じはずだ.言(こと)は言葉(言の端(は))を単位として成立し,人間の思考を組み立て,みごとに文化を築いてきた。文化という殿堂は,語彙という一つひとつの黄金の釘によってでき上がっているのである。

宗教学者・山折哲雄先生より
 言葉は「地に落ちた一粒の麦」のようにたちまち社会に広がり,世界のはてまでとどく。土の中で芽を吹き,根を生やし,花を咲かせ,豊かな森をつくってきた。一粒の言葉の運命は,生と死をくり返し,地域の垣根を越え,多岐にわたる異文化と遭遇し,衝突し,創造的な新種や珍種の子孫を残してきた。あたかも闇夜の空に輝く満天の星座のように,神話や物語からIT言語まで,古典芸能からマンガ,アニメまで,詩歌文学の回廊,宗教・哲学の言語地図を含め想像界・妄想界の宇宙言語まで,まさに「日本語の語彙」による総出演の大劇場が,ここに誕生した。
 この挑戦的な企てを推す。

目次

序 方言の語彙への誘い       (小林 隆:東北大)

第1部 地域世界を映す言葉
1. 風と天候の方言語彙   (志村文蓮У楙覲惘―子大)
2. 生活・生業と方言語彙 (新井小枝子:群馬県立女子大)
3. キリシタン文化と方言語彙  (小川俊輔:県立広島大)

第2部 創造性が育てる言葉
4. 方言語彙の発想法        (小林 隆:東北大)
5. 接尾辞「コ」の創造力   (櫛引祐希子:大阪教育大)
6. 育児語と方言語彙      (椎名渉子:名古屋市大)

第3部 変化の中にある言葉
7. 方言語彙の語源と歴史     (八木澤 亮:東北大)
8. 地方語文献にみる方言語彙(作田将三郎:北海道教育大)
9. 方言語彙の分布の変動     (大西拓一郎:国語研)
10. 現代における方言語彙の動態   (半沢 康:福島大)

第4部 社会と交わる言葉
11. 若者世代の方言語彙 (佐藤盪福ФΠΤ惘狒斡狭餾歛)
12. 方言語彙の継承と教育     
  (大野眞男,小島聡子:岩手大, 竹田晃子:立命館大)
13. 社会支援と方言語彙
     (小林 隆:東北大,坂喜美佳:仙台青葉学院短大)