大江戸図鑑 [武家編]
B4/200ページ/2007年10月25日
ISBN978-4-254-53016-2 C3020
定価25,200円(税込)
東京都江戸東京博物館 監修
東京都江戸東京博物館の館蔵史料から,武家社会を特徴づける品々を厳選して収録し,「武家社会の中心としての江戸」の成り立ちから「東京」へと引き継がれるまでの,およそ260年間を武家の視点によって描き出す紙上展覧会。江戸城と徳川幕府/城下町江戸/武家の暮らし/大名と旗本/外交と貿易/武家の文化/失われた江戸城,の全7編から構成され,より深い理解の助けとなるようそれぞれの冒頭に概説を設けた。遠く江戸の昔への時間旅行へと誘う待望の1冊。[立ち読み]もご覧ください。
編集部から
18世紀,江戸は江戸城から街道沿いに大きく広がり,およそ100万人の寝起きするまち,いわゆる「大江戸」となっておりました。おおざっぱにいうとこの100万人は町人50万,武家50万に分けられます。江戸幕府・将軍家とそれにつらなる旗本や諸大名などが,本書のテーマである「武家」と呼ばれており,いうならば江戸時代の支配階層にあたります。参勤交代などで全国津々浦々からやってくる大名の家臣など,これらの人々の生活を賄うため,江戸を中心とした物資・金・人の流れが促進されたことが,江戸の経済活動を活発にさせた要因でもあり,彼ら武家のありようを知ることがそのまま江戸を知る手掛りとなるのです。 本書は,東京都江戸東京博物館,通称江戸博の監修を得て,この「武家」の社会という観点から,都市江戸を起点に江戸時代をとらえていこうという大型企画になります。2000年刊行の『歴博万華鏡』姉妹編として出発して以来,紆余曲折を経てようやく刊行へと至りました。この間,江戸開府400年を契機に広まり,現在に至る江戸ブームのおかげで,「江戸」への関心をもつ人々は増えつづけています。また,ここ数年,「江戸時代」をテーマにした大型本も刊行されています。しかし,武家というテーマで全編とおして作られたものは,これまでありませんでした。そのため,都市の歴史と文化をメインテーマにかかげる大型博物館という江戸博の特長を活かし,全体をまとめあげる手探りの作業には,編者ですら完成に不安を感じるほどの困難がありました。また,江戸博所蔵の資料に限るという条件もあり,掲載できない資料や,小テーマに沿った手持ちの資料が少ないなどの問題も生じました。それらをひとつひとつ解決し,『歴博』で達成された紙上展覧会という手法をもって,見応えある展示室を準備しました。B4判の見開きのなかに,フルカラー,大きな画像でみせられる各頁は,江戸城,参勤交代,勤番武士ほか,数々の興味深い小テーマごとにまとめられ,単なる武家美術の紹介にとどまらない内容となっています。また,読み応えある概説を大テーマごとに用意し,江戸時代という歴史をひもとく楽しみを存分に味わっていただける本をご用意できたはずです。 温故知新,江戸東京の歴史を学ぶことは現代,未来の東京を考えるために大切だと,編集代表の竹内 誠館長はたびたびいわれています。会社の前の神田川,飯田橋駅前の神楽河岸,椿山荘に姿を変えた大名屋敷,身近なところにも江戸の名残をみつけることができますし,それこそ都心は江戸だらけです。江戸のまちの人口の半分,地面の占有率7割にも及ぼうという武家のありようを掘り起こしていくことによって,江戸と東京を訪ねる歴史散歩のお役に立てれば幸いです。(寺田)
目次
総説<江戸幕府と江戸>
江戸城と江戸幕府 [近世都市「江戸」の成り立ち/江戸城の築城と変遷] 江戸城 天守/御殿と儀礼/大奥 徳川将軍家 徳川将軍家/東照宮/家光の日光社参/家光嫡男の山王社初宮参り/将軍の武芸/将軍家斉 江戸幕府 幕府の職制/将軍の代替り
江戸の町割り [江戸の町割り/発展する江戸の町/日々新しい都市景観/拡がる武家地] 日本橋 日本橋の架橋 城下町江戸 天下の総城下町/江戸の地図/江戸図の方位/江戸切絵図/江戸図の大きさと形/江戸の鳥瞰図 江戸のインフラ 水道/五街道
武具と調度 [戦の装い/婚礼の調度] 武具と装束 刀剣/甲冑/さまざまな武具/装束 奥向の調度 婚礼の調度/和宮ゆかりの調度/雛道具/女乗物
大名と旗本 [大名/旗本/与力・同心] 参勤交代 大名の格式/参勤交代の制/大名行列/海の参勤交代/経路と日程/諸藩の江戸経費/大名の登城風景/江戸城の年中行事 藩邸 江戸の大名屋敷/上屋敷と中屋敷/下屋敷/大名屋敷の庭園/錦絵に見る江戸藩邸/泥絵に見る江戸藩邸/写真に見る江戸藩邸 勤番武士 江戸勤番の武士/久留米藩士江戸勤番長屋絵巻/江戸勤番武士の住まい/江戸勤番武士の暮らし 藩邸の経済 大名屋敷と江戸経済 旗本御家人 旗本と御家人/旗本と御家人の格式/八王子千人同心/甲府勤番 町奉行 町奉行/大岡忠相と遠山景元
江戸と長崎 [江戸幕府の外交体制/禁教令と鎖国/開国へ] 外交 鎖国と外交/オランダ貿易/オランダ商館長の江戸参府/朝鮮通信使/琉球使節 長崎貿易 出島と唐人町/紹介された日本風俗
武家の文化 [武家の文化/江戸時代初期の文化/江戸文化の発展/幕末の外交と江戸の武家文化] 能と茶の湯 能/茶の湯 庭 大名の庭作り 文人大名 文人・松平定信 書画 武家の絵画 学問 昌平坂学問所
江戸城無血開城
江戸から東京へ/失われた江戸城
参考文献 掲載資料一覧 付録江戸城本丸御殿平面図
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