臨床試験ハンドブック (新装版) ―デザインと統計解析―

丹後 俊郎上坂 浩之(編)

丹後 俊郎上坂 浩之(編)

定価 22,000 円(本体 20,000 円+税)

A5判/772ページ
刊行日:2021年09月25日
ISBN:978-4-254-32262-0 C3047

ネット書店で購入する amazon e-hon 紀伊國屋書店 honto Honya Club Rakutenブックス

書店の店頭在庫を確認する 紀伊國屋書店 旭屋倶楽部

内容紹介

ヒトを対象とした臨床研究としての臨床試験のあり方,生命倫理を十分考慮し,かつ,科学的に妥当なデザインと統計解析の方法論について,現在までに蓄積されてきた研究成果を事例とともに解説。〔内容〕種類/試験実施計画書/無作為割付の方法と数理/目標症例数の設計/登録と割付/被験者の登録/統計解析計画書/無作為化比較試験/典型的な治療・予防領域/臨床薬理試験/グループ逐次デザイン/非劣性・同等性試験/薬効評価/不完全データ解析/メタアナリシス/他

編集部から

目次

 第Ⅰ編 臨床試験の計画と実施
1. 医学研究におけるRCTの位置づけと統計学の役割
 1.1 動物実験
 1.2 臨床試験
 1.3 疫学研究
2. 臨床試験概論
 2.1 対照試験と無対照試験
 2.2 検証試験と探索試験
 2.3 実践的な試験と説明的な試験
 2.4 医薬品の段階的開発
 2.5 倫理
 2.6 臨床試験における法的規制
 2.7 医薬品の臨床試験に関するガイドライン
3. 開発段階に応じた臨床試験の種類
 3.1 第Ⅰ相(初期の臨床薬理試験段階)
 3.2 第Ⅱ相(探索試験の段階)
 3.3 第Ⅲ相(検証試験の段階)
 3.4 第Ⅳ相(市販後サーベイランス,市販後臨床試験)
 3.5 がんの分野における臨床試験の種類
4. 無作為化比較試験の原理
 4.1 同時対照の必要性
 4.2 無作為化の重要性
 4.3 倫理的問題
 4.4 エンドポイント
 4.5 必要な症例数とは
 4.6 バイアス
 4.7 統計的評価
5. 臨床試験の実施計画書
 5.1 試験の背景
 5.2 試験の目的
 5.3 比較する処理,治療法(薬剤の場合は被験薬)の概要
 5.4 対象被験者
 5.5 被験者に説明し同意を得る方法
 5.6 試験の方法
 5.7 評価項目
 5.8 観察および検査項目
 5.9 中止基準
 5.10 実施計画書からの逸脱の報告
 5.11 試験の終了,中止,中断
 5.12 実施計画書などの変更
 5.13 データの品質管理
 5.14 統計解析方法
 5.15 目標症例数および設定根拠
 5.16 試験実施期間
6. 無作為化
 6.1 無作為化(無作為割付け)の必要性
 6.2 無作為化の方法
 6.3 無作為化の方法が統計的推論に与える影響
7. 目標症例数の設計
 7.1 一般概念
 7.2 母平均の差の検定
 7.3 割付け数の不均衡の影響
 7.4 漸近的正規に基づく基本公式
 7.5 母比率の差の検定
 7.6 傾向性検定―用量反応関係の検出
 7.7 二つの生存関数の比較に必要な標本サイズ
8. 登銀と割付け
 8.1 盲検性
 8.2 薬剤の割付け
 8.3 被験者の登録
 8.4 被験者の割付け
9. データマネジメント
 9.1 CRFデザイン
 9.2 データモニタリング
 9.3 データのバリデーション
 9.4 信頼性の保証と確認
 9.5 遠隔入カシステム
 9.6 臨床検査値の自動入カシステム
10. 独立データモニタリング委員会
 10.1 用語と歴史
 10.2 IDMCの役割
 10.3 他の委員会との関係
 10.4 IDMCの構成人員
 10.5 独立データモニタリング委員会標準業務手順書
 10.6 IDMCの独立性
 10.7 DAMOCLESプロジェクト
 10.8 IDMCの統計調査結果の紹介
 10.9 臨床試験でIDMCをおくときの手順
11. 統計解析計画書
 11.1 解析計画書の目的
 11.2 被験者集団と観測値
 11.3 観測値の分布形状と異常値の要約
 11.4 実施された治療の実態
 11.5 解析対象集団
 11.6 対象患者の試験開始時の状態と治療群間の比較可能性
 11.7 有効性に関する解析
 11.8 安全性情報の解析
 11.9 データレビュー
12. 無作為化比較試験とCONSORT声明
 12.1 CONSORTの歴史と目標
 12.2 派生的に生まれた声明
 12.3 CONSORT声明の内容
 12.4 CONSORTに関する調査結果
 12.5 ALLHAT試験への適用結果
13. 典型的な治療・予防領域での無作為化比較試験の紹介
 13.1 心疾患領域
 13.2 脳卒中領域
 13.3 がん領域
 13.4 精神の障害に関する治療法
 13.5 関節リウマチ
 13.6 糖尿病
 13.7 糖尿病予防のための食事教育
第Ⅱ編 各種の臨床試験デザインと統計解析
14. 臨床薬理試験
 14.1 薬物動態解析の概略
 14.2 生物学的同等性試験
 14.3 食事の影響を検討する試験
 14.4 薬物相互作用試験
 14.5 臨床薬埋試験(薬物動態・薬力学的試験)
 14.6 曝露応答(ER)関係
15. 母集団PK/PDを目的の一部とした試験
 15.1 母集団薬物動態解析の概略と留意点
 15.2 母集団薬物動態・薬力学解析の適用
16. クロスオーバー試験
 16.1 正規分布に従う連続変数の場合
 16.2 2値の場合
17. グループ逐次デザイン
 17.1 基本的な考え方
 17.2 Pocockの方法
 17.3 0'Brien-Flemingの方法
 17.4 α消費関数
 17.5 α消費関数に基づく逐次検定統計量の同時分布
 17.6 適応的デザイン
 17.7 推定問題
 17.8 中間解析に基づく標本サイズの再見積もり
18. 非劣性・同等性試験
 18.1 有意差検定のマジック
 18.2 臨床的に意味のある最小の差⊿の導入
 18.3 非劣性マージン⊿の決め方
 18.4 独立な母比率の差の検定
 18.5 対応のある母比率の差の検定
 18.6 独立な母平均の差の検定
 18.7 対応のある母平均の差の検定
 18.8 生存関数に関する非劣性の検定
 18.9 プラセボ対照を追加する非劣性の検定
19. 民族間の比較と薬効評価
 19.1 ブリッジングの考え方
 19.2 薬物動態に開する民族的因子の影響の評価
 19.3 投与量比例性
 19.4 並行群デザインにおける投与量比例性の評価方法と民族間差の評価
 19.5 個体内比較デザインによる投与量比例性と民族間比較
 19.6 ブリッジング試験としての用量反応試験
20. クラスター無作為化試験
 20.1 クラスターの効果
 20.2 分散分析モデル
 20.3 共変量の調整
 20.4 標本サイズ
21. ファーマコヴィジランス
 21.1 自発報告データベースからのシグナル検出
 21.2 リスクマネジメント
第Ⅲ編 臨床試験に関連する統計的推測
22. 不完全データの解析
 22.1 欠測データのパターン
 22.2 欠測メカニズムの階層性
 22.3 欠測メカニズムを無視できるかどうか
 22.4 欠測データに対する単純な解析方法
 22.5 欠測メカニズムを考慮した解析方法
 22.6 路床試験における欠測データ解析に関する注意点
23. 経時的繰返し測定データの解析
 23.1 検定を時点ごとに繰り返す方法の問題点
 23.2 要約指標に基づく方法
 23.3 正規分布を仮定できる繰返し測定データの線形モデル
 23.4 繰返し測定データの一般化線形モデル
 23.5 標本サイズ
 23.6 個体ごとの反応プロファイルを分類する方法
 23.7 欠測値
24. ランダム化に基づく解析
 24.1 Intention-to-treatの原理
 24.2 操作変数推定量
 24.3 Robins-Manski限界と操作変数推定量
 24.4 その他の話題
25. 治療と共変量との交互作用
 25.1 交互作用の概念
 25.2 交互作用の検討
 25.3 多施設臨床試験における施設間差の評価
26. 再起的事象の評価
 26.1 表記と基本的な関数
 26.2 セミパラメトリック解析
 26.3 適用例:慢性肉芽腫症における感染
27. 多重性の評価
 27.1 多重性とは
 27.2 主要変数が複数ある場合
 27.3 多群比較
 27.4 経時的比較
 27.5 中間解析
 27.6 サブグループ解析
 27.7 その他の多重性の問題
28. 測定誤差の評価
 28.1 測定誤差とは何か
 28.2 測定誤差の影響
 28.3 測定誤差の影響の修正法
29. 有害事象の経時的発現状況の推測
 29.1 経時的発現状況の解析方法1
 29.2 検定
30. 評価尺度の信頼性と妥当性
 30.1 評価尺度とは何か
 30.2 尺度の要件
 30.3 妥当性
 30.4 信頼性
 30.5 感度
 30.6 尺度の作成と信頼性および妥当性の確認
31. メタアナリシス
 31.1 メタアナリシスの手順
 31.2 効果の尺度
 31.3 解析手法:文献に基づくメタアナリシス
 31.4 解析手法:個人データに基づくメタアナリシス
 31.5 異質性を説明する要因の探索
 31.6 解析例
 31.7 メタアナリシスのためのソフトウェア
 31.8 公表バイアス
32. Bayes推測
 32.1 Bayes推測の基礎
 32.2 臨床試験の事例:GREAT
付 録
索 引

執筆者紹介

【編集者】
丹後俊郎,上坂浩之
【執筆者(五十音順)】
石塚直樹,上坂浩之,折笠秀樹,清見文明,越水孝,洒井弘憲,佐藤俊哉,鈴木英明,丹後俊郎,手良向聡,中村剛,中村富雄,西次男,西川正子,橋本敏夫,平山正史,藤田利治,松井研一,松井茂之,松山裕,森川敏彦,矢船明史,山岡和枝

関連情報

ジャンル一覧

ジャンル一覧

  • Facebook
  • Twitter
  • 「愛読者の声」 ご投稿はこちら 「愛読者の声」 ご投稿はこちら
  • EBSCO eBooks
  • eBook Library