日本の伝統食品事典

日本伝統食品研究会(編)

日本伝統食品研究会(編)

定価 20,900 円(本体 19,000 円+税)

A5判/648ページ
刊行日:2007年10月20日
ISBN:978-4-254-43099-8 C3577

ネット書店で購入する amazon e-hon 紀伊國屋書店 honto Honya Club Rakutenブックス

書店の店頭在庫を確認する 紀伊國屋書店 旭屋倶楽部

内容紹介

わが国の長い歴史のなかで育まれてきた伝統的な食品について,その由来と産地,また製造原理や製法,製品の特徴などを,科学的視点から解説。〔内容〕総論/農産:穀類(うどん,そばなど),豆類(豆腐,納豆など),野菜類(漬物),茶類,酒類,調味料類(味噌,醤油,食酢など)/水産:乾製品(干物),塩蔵品(明太子,数の子など),調味加工品(つくだ煮),練り製品(かまぼこ,ちくわ),くん製品,水産発酵食品(水産漬物,塩辛など),節類(カツオ節など),海藻製品(寒天など)

編集部から

 本書は2009年に設立25周年を迎える日本伝統食品研究会の編集のもと,会長である藤井建夫先生をはじめ,川崎賢一・小泉幸道・豊原治彦・堀井正治・宮尾茂雄の先生方を編集委員に迎え,農産・水産にわたる日本の伝統食品約300品目を整理・解説した事典です。詳しい見本原稿を用意して「科学的な視点からの叙述」を強く要請し,原則として製法をフローチャート化して収載するなどの編集方針をとった点が特徴といえます。
 わが国には固有の気候風土と長い歴史を通じて育まれた多くの伝統食品が存在します。近年の健康志向の高まりによってこれら伝統食品の長所が見直されつつあることは誠に喜ばしいことです。
 しかし,現代の食環境は伝統食品の洋々たる前途を保証するものでは決してありません。食生活の多様化や後継者不足から伝統食品の生産者は減少の一途を辿り,技術の伝承が難しくなっています。価格競争の圧力は生産工程の機械化・省工程化を促し,本質的な加工原理を省略して“模造品”に堕した食品も少なくはありません。経済のグローバル化に伴う影響は原料の輸入品への切り替えに始まり,いまや生産そのものを中国などへ移転する業者が出るに至っています。
 伝統食品の加工技術には,毒素を分解したり,食味や保存性を高めたりするための驚くべき知恵が散りばめられています。そうした技術が研究を待たずに失われていくことは人類にとって甚大な損失といえます。上記編集方針は,その技術や品質を後世に伝えようとする精神の表れです。
 本書が伝統食品に関心を寄せる多くの読者の手に渡ることを期待しています。企画当初,『おつまみの事典』などと軽口を叩かれたものですが,かように志の高い書籍である点をご理解いただき,今後は正真正銘の伝統食品を扱う飲み屋へ足を運んでいただきたいと強く願うものであります。 (川口)

目次

伝統食品の現在

I――農 産

第1章 穀   類
総 説
1.1 もち(餅)類
1.2 せんべい(煎餅)類
1.3 うどん(饂飩)類
1.4 そば(蕎麦)類
1.5 ふ(麩)類
1.6 こんにゃく類

第2章 豆   類
総 説
2.1 豆 腐
2.2 ゆば(湯葉)
2.3 納 豆
2.4 醤油豆

第3章 野菜類(漬物)
総 説
3.1 塩漬け
3.2 醤油漬け
3.3 味噌漬け(金婚漬け)
3.4 かす漬け
3.5 こうじ(麹)漬け
3.6 酢漬け
3.7 ぬか(糠)漬け
3.8 からし漬け(こなす漬けなど)
3.9 もろみ漬け
3.10 その他の漬物

第4章 茶   類
総 説
4.1 緑茶(不発酵茶)
4.2 後発酵茶
4.3 特殊加工茶
4.4 チャでない「茶」
4.5 調理素材としての利用法
4.6 茶の現代的利用法

第5章 酒   類
総 説
5.1 清 酒
5.2 ビール
5.3 果実酒
5.4 焼 酎

第6章 調味料類
総 説
6.1 塩
6.2 味 噌
6.3 醤 油
6.4 食 酢
6.5 みりん
6.6 砂 糖
6.7 ソース

II――水 産

第1章 乾 製 品
総 説
1.1 素干し
1.2 塩干し
1.3 煮干し
1.4 焼干し
1.5 その他

第2章 塩 蔵 品
総 説
2.1 魚類塩蔵品
2.2 魚卵塩蔵品
2.3 塩蔵クラゲ

第3章 調味加工品(つくだ煮)
総 説
3.1 つくだ(佃)煮
3.2 儀助煮
3.3 甘露煮
3.4 みりん干し(さくら干し)
3.5 焼き加工品
3.6 でんぶ
3.7 魚味噌(フナ味噌,タイ味噌)
3.8 釜揚げ

第4章 練り製品
総 説
4.1 かまぼこ
4.2 ちくわ(竹輪)

第5章 くん製品
総 説
5.1 くん製品

第6章 水産発酵食品
総 説
6.1 塩 辛
6.2 魚醤油
6.3 くさや
6.4 なれずし
6.5 ぬか漬け
6.6 酢漬け
6.7 醤油漬け(松前漬け)

第7章 節   類
総 説
7.1 カツオ節
7.2 その他の節類

第8章 海藻製品
総 説
8.1 海藻製品


索   引

執筆者紹介

【編集委員】
藤井建夫,川崎賢一,小泉幸道,豊原治彦,堀井正治,宮尾茂雄
【執筆者(五十音順)】
赤羽義章,阿久津智美,浅野昶,池内常郎,石川健一,伊藤寛,伊藤雅子,今井徹,今田節子,岩本宗昭,上田智広,臼井一茂,海老名秀,太田義雄,岡弘康,岡田裕史,岡田稔,加島隆洋,加藤登,加藤みゆき,上西由翁,苅谷泰弘,川崎賢一,神崎和豊,金城力,久田孝,國武浩美,黒川孝雄,桑原秀明,小泉幸道,小西文子,坂本正勝,佐藤紀代美,柴眞,嶋田達雄,白川武志,進藤斉,菅原久春,髙木毅,滝口明秀,滝口強,武田平八郎,舘博,田中秀夫,田中良治,玉置ミヨ子,保聖子,塚本研一,戸松誠,豊原治彦,内藤茂三,長尾精一,中川勝也,中川禎人,永島俊夫,永瀬光俊,中西載慶,永峰文洋,中村幸一,中村羊一郎,西岡不二男,西川清文,西谷尚道,野田誠司,野村明,橋詰和宗,橋本壽市,橋本俊郎,原田和樹,福家眞也,藤井建夫,藤田平二,藤原健,堀井正治,堀越昌子,前田安彦,松岡寛樹,真部正敏,宮尾茂雄,望月聡,森俊郎,森真由美,森島義明,矢口登希子,矢野俊博,山澤正勝,山本常治,山本泰,吉井洋一,吉岡武也,吉本詩朗,和田卓,渡辺研,渡辺忠美

関連情報

ジャンル一覧

ジャンル一覧

  • Facebook
  • Twitter
  • 「愛読者の声」 ご投稿はこちら 「愛読者の声」 ご投稿はこちら
  • EBSCO eBooks
  • eBook Library