構造地質学

狩野 謙一村田 明広(著)

狩野 謙一村田 明広(著)

定価 6,270 円(本体 5,700 円+税)

B5判/308ページ
刊行日:1998年02月15日
ISBN:978-4-254-16237-0 C3044

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内容紹介

構造地質学の標準的な教科書・参考書。〔内容〕地質構造観察の基礎/地質構造の記載/方位の解析/地殻の変形と応力/地殻物質の変形/変形メカニズムと変形相/地質構造の形成過程と形成条件/地質構造の解析とテクトニクス/付録 

編集部から

構造地質学CD-ROM版カラー写真集の内容は,こちらからダウンロードしてご覧いただけます。

目次

1. 地質構造観察の基礎
 1.1 地質構造の認識
 1.2 地質構造のスケール
 1.3 地質構造の組み合わせ
2. 地質構造の記載
 2.1 断層
 2.2 節理と裂か
 2.3 褶曲
 2.4 岩石組織とテクトナイト
 2.5 貫入岩体の構造
3. 方位の解析
 3.1 方位の計測
 3.2 二次元の方位解析
 3.3 ステレオネットを用いた三次元方位解析
4. 歪と応力
 4.1 歪
 4.2 累進変形作用
 4.3 有限歪の解析
 4.4 歪速度
 4.5 応力
 4.6 主応力軸と歪の関係
5. 地殻物質の変形-実験によるアプローチ-
 5.1 地殻物質の変形を探る
 5.2 三軸変形実験でわかる岩石の性質
 5.3 岩石のダクティリティと地殻のレオロジー
 5.4 アナログ実験と数値実験
6. 変形メカニズムと変形相
 6.1 粒界すべり
 6.2 破砕
 6.3 粒界拡散
 6.4 結晶塑性機構
 6.5 不均質岩石の変形メカニズム
 6.6 変形相
7. 地質構造の形成過程と形成条件 その1:断層と節理
 7.1 岩石の破壊と応力場
 7.2 脆性破砕帯の形成過程
 7.3 延性剪断帯とマイロナイト
 7.4 シュードタキライト:地震の化石?
 7.5 断層岩とテクトニックレベル
 7.6 断層の規模と変位量
 7.7 衝上断層と衝上断層帯
 7.8 プレート付加体での衝上断層群
 7.9 正断層と伸張テクトニクッス
 7.10 反転テクトニクス
 7.11 横ずれ断層
 7.12 断層と地震
 7.13 節理
8. 地質構造の形成過程と形成条件 その2:褶曲
 8.1 褶曲の形成メカニズムと褶曲の形態
 8.2 座屈褶曲作用
 8.3 キンク褶曲作用
 8.4 層平行剪断に伴う褶曲
 8.5 斜め剪断と流動による褶曲
 8.6 横曲げ褶曲作用
 8.7 断層・デコルマ面に伴う褶曲
 8.8 線構造と褶曲
 8.9 褶曲作用とスケール問題
 8.10 活褶曲
 8.11 重複褶曲作用
9. 地質構造の形成過程と形成条件 その3:岩石組織
 9.1 スレート劈開
 9.2 ブータンと膨縮構造
 9.3 メランジュ
10. 地質構造の形成課程と形成条件 その4:貫入による構造
 10.1 火成岩体の貫入
 10.2 岩塩ダイアピール
 10.3 砕屑岩脈
11. 地質構造の解析とテクトニクス-島弧の構造地質学-
 11.1 プレートテクトニクスと地殻変動
 11.2 プレートテクトニクスと日本列島
 11.3 日本列島の付加体のテクトニクス
 11.4 西南日本弧の二次変形
 11.5 東北日本弧の伸張・短縮テクトニクス
12.付 録
 12.1 リモートセンシング
 12.2 反射法地震探査
 12.3 構造地質学とパーソナルコンピューター
13. あとがき
14. 問題解答
15. 引用文献
16. 索  引

執筆者紹介

執筆者の狩野謙一先生と村田明広先生は,教科書発行と構造地質学普及への貢献により2012年度日本地質学会表彰を受けられました。
「『構造地質学』の特色は,例えば以下の様に要約される。(1)当時の欧米の類書に書かれている内容が網羅されており,特に地質構造と広域テクトニクス場との関連が詳しく記されている。(2)島弧の構造地質学的特徴が両会員自身の研究成果を交えて詳しく記されている。(3)両会員が実際に撮影された豊富な写真が解説に用いられている。構造地質学関連の書籍は和洋を問わず多く出版されているが,1冊の教科書に(1)~(3)をバランス良く取り入れている点が,本書の最大の特長である。日本の読者は(2)・(3)の内容から,自分に親しみのある地域の地質と関連づけて本書を読むことができた。本書が多くの読者を集めた理由は,ここにあると考えられる。
このように,本書は世界的に見ても優れた構造地質学の教科書の一つであり,日本及び韓国における構造地質学の普及に大いに役立ったことは疑いようがない。本書の刊行後,地質関連教科書の刊行が続いているが,本書の大量普及に力を得た著者もおられるかと思う。このように,狩野・村田両会員が教科書発行と構造地質学普及に向けられた努力は大いに顕彰されるべきであり,日本地質学会表彰候補としてここに推薦する。」(日本地質学会ウェブサイトより)

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