よくわかる観光学 3 文化ツーリズム学

菊地 俊夫松村 公明(編著)

菊地 俊夫松村 公明(編著)

定価 3,080 円(本体 2,800 円+税)

A5判/196ページ
刊行日:2016年03月20日
ISBN:978-4-254-16649-1 C3326

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内容紹介

地域における文化資源の保全と適正利用の観点から,文化ツーリズムを体系的に解説。〔内容〕文化ツーリズムとは/文化ツーリズム学と諸領域(地理学・社会学・建築・都市計画等)/様々な観光(ヘリテージツーリズム,聖地巡礼等)/他

編集部から

「よくわかる観光学」シリーズ

シリーズ紹介------------------

 現代社会において,観光は重要な成長分野である.実際,国内だけでなく海外の観光需要もあり,観光とそれに関連する諸産業は今後ますますの発展が見込まれる.さらに,観光は地域の文化資源や自然資源を適正に活用することで経済の活性化や雇用機会の増大につなげるだけでなく,地域づくりや地域アイデンティティの構築に貢献することもできる.
 本格的な観光振興は,わが国ではこれまで未経験の事態であり,第2次世界大戦後の経済成長を牽引した製造業の論理を模倣するだけでは対処できない側面が多くある.また観光には,地域の持続的な発展や内発的な発展を担う産業としての重要な役割も期待されている.このような観光の新しい事態や役割に対処するための教科書が求められており.そこに本シリーズ刊行の大きな意義がある.
 観光分野を発展させ観光立国を実現していくためには,観光に関連した産業を担う人材の育成が重要になってくる.宿泊業や旅行業に限らず,運輸業や飲食業,さらに自治体やNPOのコミュニティサービスなど観光に関連する産業は多岐にわたり幅広い.観光に関連するどのような職業に従事するにしても,専門的な知識だけでなく,幅広い教養を総合的に身につけることが重要であり,そのような人材が求められている.
 本シリーズは,観光学を学ぶ学生,および観光に関連する実務者を主な読者対象に,わかりやすさに配慮した観光の教科書シリーズである.本シリーズが観光学や観光科学の教育におけるスタンダードな教科書として広く活用されれば幸いである.

目次

まえがき
1 文化ツーリズムとは─ その本質と目的,方法
 1.1 文化ツーリズムの本質
 1.2 文化ツーリズムの目的と方法
 1.3 各章の構成
2 文化ツーリズムの基礎としての地理学
 2.1 地理学と文化ツーリズムとのかかわり
 2.2 文化ツーリズムと地理学の研究対象
 2.3 多様な文化ツーリズムと地理学の分析例
 2.4 まとめ
3 文化ツーリズムの基礎としての社会学
 3.1 ツーリズムと社会学
 3.2 「文化」と社会学
 3.3 「文化」とは何か
 3.4 「文化」の生産と消費の場としてのツーリズム
4 文化ツーリズムの基礎としての文化人類学
 4.1 文化人類学と観光 ─フィールドの共通性と立ち位置の違い
 4.2 文化概念の変容と文化ツーリズム
 4.3 文化人類学理論と観光学
 4.4 「国民の文化」「民族の文化」の近代性
 4.5 今後の文化人類学と観光学
5 文化ツーリズムの基礎としての建築学
 5.1 構法の進化と形態の変化
 5.2 IT 化の進展による建築デザイン手法の変化
 5.3 目新しく感じられるかつての日常
 5.4 自然に対する処し方
 5.5 建築デザインへの自然の取り入れ方
 5.6 都市計画の建築デザインへの影響
 5.7 規制や制限によってもたらされる調和や統一感
 5.8 建築技術を支える社会の変化
 5.9 建築デザインをめぐる新たな動きと観光施設
 5.10 まとめ
6 文化ツーリズムの基礎としての都市計画とまちづくり
 6.1 観光の基盤をつくる都市計画・まちづくり
 6.2 都市計画・まちづくりの手法
 6.3  まとめ
7 文化ツーリズムとヘリテージツーリズム
 7.1 は じ め に
 7.2 ホイアンと世界遺産
 7.3 日越旅行ガイドブックにみるホイアン表象
 7.4 日本人によるホイアンの表象
 7.5 ローカルなツーリズム実践
 7.6 まとめ
8 文化ツーリズムと聖地巡礼
 8.1 巡礼の起源
 8.2 聖地巡礼の類型
 8.3 巡礼の構造と観光
 8.4 伊勢参りと参詣ルート
 8.5 拡張される聖地巡礼
 8.6 聖地巡礼のみかた ─ おわりに代えて
9 文化ツーリズムと都市観光
 9.1 都市観光の概念と特徴
 9.2 都市観光の重要性と問題点
 9.3 都市観光の研究方法
10 文化ツーリズムとスポーツ観光
 10.1 飛躍するスポーツの役割
 10.2 スポーツの魅力と都市の再生戦略
 10.3 サンディエゴの都心再開発
 10.4 サンディエゴ都心部のスタジアムとコンベンションセンターによる訪問客流動
 10.5 サンディエゴ都心部への訪問目的と買い物行動
 10.6 魅力あふれる場所の構築へのスポーツツーリズムの貢献
11 都市形成史から考える文化ツーリズム─ 江戸・東京を対象として
 11.1 江戸のはじまり
 11.2 江戸文化と観光
 11.3 明治から昭和(戦前)までの東京と観光
 11.4 戦後の東京と観光
12 交通計画学から考える文化ツーリズム
 12.1 交通システム・交通計画学とツーリズム
 12.2 交通システムによる旅の範囲拡大の歴史
 12.3 ツーリズム交通の特性を理解するための需要的側面
 12.4 ツーリズム交通の特性を理解するための供給的側面
 12.5 まとめ
13 展望タワーと都市観光
 13.1 展望タワーと都市観光
 13.2 展望タワーの発展と大衆化
 13.3 日本の代表的な展望タワーとその役割
 13.4 展望タワーと観光ツアー
 13.5 まとめ
14 歴史文化資源をめぐる歴史的環境保全と観光開発の関係
 14.1 歴史的環境保全と観光開発の接点
 14.2 歴史的環境保全における歴史文化資源へのアプローチ
 14.3 まちづくりのもとでの統合的アプローチへ
15 文化ツーリズムの課題と可能性
 15.1 文化ツーリズムの可能性を高める担い手づくり
 15.2 青梅市の概要
 15.3 青梅市商店街の活性化策としての地域イベント
 15.4 青梅宿アートフェスティバルの新たな展開
 15.5 青梅宿アートフェスティバルがつくりだす地域資源
 15.6 地域資源とそれを活用する担い手との関係
索引

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