ナースのための 放射線医療

放射線医学総合研究所(監修)

放射線医学総合研究所(監修)

定価 3,850 円(本体 3,500 円+税)

B5判/160ページ
刊行日:2002年04月28日
ISBN:978-4-254-33002-1 C3047

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内容紹介

放射線診療は医療全体を支える不可欠な役割を担うに至っている。本書は,ナースが放射線とその健康影響,各種放射線診療の内容と意義,放射線防護の考え方と技術について正しい知識を持ち,医療,看護,ケアに携われるように解説。

編集部から

目次

1.放射線診療の質を高める看護
2.看護職と放射線
 2.1 看護職と放射線とのかかわり・役割
    放射線診療と看護職のかかわり/オピニオンリーダーとしての看護職
    予防医学における放射線利用/原子力・放射線災害医療と看護職
 2.2 医療被ばくおよび職業被ばくと看護職のかかわり
    医療被ばくに対する防護/自分自身(職業被ばく)の放射線防護
 2.3 患者の不安にこたえるために
    患者の不安は何か/患者の抱いている誤解の例/放射線診療の概要を理解する
    放射線診療に伴う被ばく線量と影響との関係を知る/不安をもった患者への
    対応の基本
 2.4 看護職自身の放射線防護のために
 2.5 看護職の放射線教育のあり方
3.放射線と放射能の基礎知識
 3.1 放射線の種類
 3.2 放射線の発生
    原子の構造/原子核の壊変と放射性同位元素/Ⅹ線の発生
 3.3 放射線と物質との相互作用
    α線の場合/β線の場合/γ線,Ⅹ線の場合/中性子の場合
 3.4 放射線の性質と特徴
    α線の場合/β線の場合/γ線,Ⅹ線の場合/中性子の場合
 3.5 放射線と放射能の基本単位
    放射能の強さ/照射線量/吸収線量/線量/その他の単位
 3.6 放射線の測定器
4.アイソトープと医学
 4.1 元素,核種とアイソトープ
 4.2 放射性壊変と放射平衡
 4.3 アイソトープの製造
    核反応による方法/放射性壊変を利用する方法/核分裂と核分裂生成物
 4.4 放射性核種の生体内挙動と除去法
    放射性セシウム/放射性ストロンチウム/放射性ヨウ素/その他
 4.5 アイソトープの医学への利用
    診断に用いるアイソトープ/治療に用いるアイソトープ
5.職業被ばくと医療被ばく
 5.1 放射線被ばく
    被ばくのタイブ/被ばくの種類
 5.2 被ばく線景と線量限度
    実効線量/被ばく線量/放射線防護体系と線量限度
 5.3 放射線診療における放射線管理
    職業被ばくの管理/公衆の被ばくの管理
 5.4 医療被ばくの管理
    医療被ばくの特徴/医療被ばくによる患者の被ばく線量
    医療介助者などの医療被ばく/防護の3原則
6.放射線影響の分類
 6.1 電離からDNAの損傷へ
 6.2 細胞の損傷
 6.3 組織の損傷から臨床症状へ
 6.4 身体的影響と遺伝的影響
 6.5 確定的影響と確率的影響
7.急性放射線障害
 7.1 放射線による急性障害
    全身被ばくによる急性放射線障害/血液・骨髄障害
    消化管障害/循環器障害/中枢神経障害/肺障害
    その他
 7.2 放射線熱傷(皮膚障害)
    放射線熱傷と熱傷/放射線熱傷の症状/放射線の線質による
    障害の相違/治療
 7.3 高線量被ばくによる眼の障害
 7.4 被ばく患者に対する初期反応
    原則/患者の移送
8.放射線の晩発障害
 8.1 放射線の晩発障害の特徴
 8.2 がんの発生
    放射線誘発がん/人間に認められた放射線誘発がんの例
    放射線誘発致死がんの発生確率
 8.3 白内障
 8.4 放射線による不妊
 8.5 放射線治療による晩発障害
 8.6 胎児に対する影響(胎内被ばく)
    胎内被ばくの特徴/着床前期での被ばく/器官形成期での被ばく
    胎児期での被ばく/胎児の医療被ばく/女性の放射線作業について
 8.7 内部被ばく
    内部被ばくの特徴/放射性物質が人体に入る経路/生物学的半減期と
    実効半減期/特に問題となる放射性物質/主な人体障害例
 8.8 遺伝的影響
    放射線の遺伝的影響の特徴/人類での遺伝的影響/遺伝的影響の評価
 8.9 低線量放射線の影響
9.病院における放射線事故
 9.1 治療用線源の体内放置
    事故の概要と臨床経過/患者線量評価/剖検所見/事故からの反省点と
    今後の対策
 9.2 放射性核種投与量の誤り
 9.3 治療用線源の盗難
    事故の発生/急性放射線症と体内汚染/事故の規模
10.放射線防護の原則と実際
 10.1 医療の放射線安全
     放射線防護の目的/看護職の放射線防護
 10.2 放射線安全の基礎
     放射線防護の歴史/国際放射線防護委員会
 10.3 放射線安全規制と防護
     放射線安全規制/放射線施設・設備などの防護基準/放射線診療従事者の
     安全管理
 10.4 外部被ばくの防護
     外部被ばくの対象/防護の3原則/Ⅹ線診療時の防護/放射線治療時の防護
 10.5 内部被ばくの防護
     内部被ばくの基本/核医学診療における防護/放射性廃棄物の管理
 10.6 看護職の放射線防護の役割
     放射線安全が最優先/患者の放射線防護/患者を介した放射線防護の特殊性
     /患者との信頼関係/家族・介助者および公衆の被ばく防護/放射線防護の
     認識
 10.7 まとめ
     放射線診療の安全と安心/放射線診療の安全文化
11.放射性物質の汚染検査と除染
 11.1 用語の整理
 11.2 汚染の測定・検査
 11.3 除染と汚染防止
 11.4 除染剤の種類
 11.5 汚染廃棄物の取り扱い
12.画像診療での看護
 12.1 画像診療の基礎知識
     放射線の理解と放射線防護/各modality別検査の特徴と介助のポイント
     /画像診療の現状と将来の可能性
 12.2 画像診療におけるリスクマネージメント
     マニュアルの必要性/インフォームドコンセント/看護職の役割
     /看護職が中心で行えるリスクマネージメント
 12.3 画像診療時の看護の役割
     検査や治療に対する不安や苦痛の軽減/正確な検査結果を得るための介助
     検査や治療の二次的障害の防止
13.放射線治療の基礎
 13.1 局所治療の意義
 13.2 放射線治療の生物学
     放射線治療の作用機序/組織の耐容線量と放射線感受性/
     分割照射の理論的根拠
 13.3 放射線の分類
 13.4 放射線治療装置と照射法
     ライナック(直線加速器)/テレコバルト装置/マイクロトロン
     /ベータトロン(誘導加速器)/5)定位多軌道照射装置/温熱療法
 13.5 治療計画法
 13.6 放射線治療に伴う有害反応
     全身症状/骨髄/生殖腺/水晶体/口腔粘膜/皮膚/肺/腎臓/肝臓
     /胃腸管/脳脊髄/膀胱
 13.7 主な疾患の治療法と看護
     頭頸部がん/肺がん/食道がん/乳がん/子宮頸がん/前立腺がん
     悪性リンパ腫/骨・軟部腫瘍/小児腫瘍/転移に対する治療
14.密封小線源治療での看護
 14.1 密封小線源治療の実施の実際
     高線量率腔内照射/低線量率腔内照射/高線量率組織内照射
     /低線量率組織内照射
 14.2 看護の実際
     高線量照射(膣内照射・組織内照射)の看護/低線量率照射(膣内照射・
     組織内照射)の看護
15.放射線治療患者の看護
 15.1 放射線治療の基礎知識
     放射線治療とは/放射線治療の特徴/放射線治療の適応と目的/
     放射線治療の準備
 15.2 放射線治療を受ける患者への看護の役割
     治療前/治療中/治療後
 15.3 放射線治療に伴う有害反応
     全身的反応と看護の要点/局所的反応と看護の要点/放射線治療の早期有害
     反応とケア
 15.4 緊急事態発生時の対応
     脳圧亢進症状/出血/気道閉塞
16.核医学診療での看護
 16.1 核医学診療の基礎知識
     核医学画像の特徴/放射性医薬品/主な核医学画像診断装置と方法
 16.2 核医学診療を受ける患者への看護の役割
     不安の解消と検査説明/検査前処置と核医学検査/核医学診療での看護と
     被ばく
 16.3 各検査・治療に共通の看護
     事前説明/準備/態勢準備
 16.4 検査・治療法別看護の要点
 16.5 緊急事態発生時の対応
17.画像診療を受ける患者のメンタルケア
 17.1 画像診療を受ける患者のメンタルケアの考え方
 17.2 画像診療を受ける患者の心理状態
     診断期/治療期/長期生存期/再発期
 17.3 不安の種類
     漠然とした不安/具体的な不安
 17.4 危機の段階と介入の原則
 17.5 看護介入方法の種類
     患者中心的介入/医療者中心的介入/身体的介入
     /サポートシステムへの介入/回避的介入/事例
18.実習
 18.1 X線撮影時の防護の基礎
 18.2 X線撮影時の被ばく
 18.3 非密封放射性医薬品の安全取り扱いにおける原則
19.あとがき
20.索  引

執筆者紹介

【執筆者】佐々木康人,草間朋子,白川芳幸,渡利一夫,丸山隆司,上島久正,明石真言,菊地 透,芳田典幸,黒田正子,辻井博彦,土器屋卓志,松田光子,吉川京燦,熊谷和正,坂下邦雄

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