朝倉実践心理学講座 1 意思決定と経済の心理学

海保 博之(監修)/坂上 貴之(編)

海保 博之(監修)/坂上 貴之(編)

定価 3,960 円(本体 3,600 円+税)

A5判/224ページ
刊行日:2009年11月20日
ISBN:978-4-254-52681-3 C3311

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内容紹介

心理学と経済学との共同領域である行動経済学と行動的意思決定理論を基盤とした研究を紹介,価値や不確実性について考察。〔内容〕第Ⅰ部「価値を測る」/第Ⅱ部「不確実性を測る」/第Ⅲ部「不確実性な状況での意思決定を考える」

編集部から

目次

 序章 コンビニのある物語によせて  〔坂上貴之〕 1
 1.価値を測る       
 2.行動分析学と行動経済学     
 3.不確実性を測る       
 4.大きな枠組から考える      
 5.心理学と経済学との出会い     

第1部  価値を測る
第1章 マッチング関数を使う    〔伊藤正人〕 9
  1.日常生活の中の選択      
  2.好ましさの表し方      
  3.マッチング法則       
   コラム1 バイアスパラメータbを用いた選好の尺度化  
   コラム2 ヒトや動物はなぜ群れるのか    
 4.逆マッチング       
 5.効用関数としてのマッチング関数     

第2章 需要関数を使う    〔恒松 伸〕 30
  1.私たちの消費行動に与える価格の影響    
  2.実験的行動分析における行動経済学と本章の目的  
  3.行動経済学の基本的な概念と個体の消費行動の分析  
  4.個体の消費行動に影響を与える経済学的要因   
 コラム3 個体内比較法を用いた行動実験のスタイル  
  5.需要関数と反応支出関数による消費行動の数量的分析と2つの行動指標
  6.相対的強化子効力に対する行動経済学的アセスメント  
  7.強化子の価値の尺度化に対する期待    
  コラム4 行動経済学の応用行動分析への適用例   

第3章 遅延割引関数を使う      53
  1.遅延割引の基礎的事実    〔佐伯大輔〕
 コラム5 経済・経営場面における遅延割引   
  2.遅延割引の応用     〔高橋雅治〕

第4章 変化抵抗を使う    〔井垣竹晴〕 69
  1.変化抵抗についての一般的知見     
  2.変化抵抗研究についての応用     
  3.価値を示す他の行動指標との関係    
  4.価値指標研究の意義と今後の展望    
 コラム6 行動モメンタム概念のスポーツへの適用

第2部 不確実性を測る
第5章 随伴性を測る     〔嶋崎恒雄〕 89
  1.随伴性とは      
  2.随伴性の指標       
  3.随伴性に対する敏感さ     
  4.人間を対象とした随伴性の判断実験   
  5.判断の方略      
  6.随伴性と因果性       
  7.随伴性学習研究の今後      

第6章 リスク性を測る    〔広田すみれ〕 104
  1.リスク性と不確実性      
  2.キャリブレーションにおける主観確率の導出の方法  
  3.キャリブレーションカーブと「自信過剰」   
  4.自信過剰への影響要因      
  5.キャリブレーションにおける文化差    

第7章 曖昧性を測る-2次確率から見る-  〔増田真也〕 125
  1.エルスバーグのパラドクス     
  2.曖昧性忌避に関する研究と経済現象    
  3.2次確率分布による曖昧性の把握と選好    
  4.有能感からの説明      

第8章 インセンティブ中立な手段で測る  〔川越敏司〕 140
  1.はじめに       
  2.インセンティブ料率的メカニズム    
  3.BDMメカニズム      
  4.BDMメカニズムの実験     
  5.被験者の選好の特定化をめぐる諸問題    
 コラム7 オークション      

第3部 不確実な状況での意思決定を考える
第9章 行動的意思決定理論から考える  〔山岸候彦〕 156
  1.意思決定研究の分類      
  2.規範的意思決定理論      
  3.人間の決定と規範的決定理論の齟齬    
  4.記述的決定理論       
  5.確率判断の非合理性      
  6.処方的アプローチ      
  7.より近年の動向       
  8.将来の展望:フォン・ノイマンの彼方へ    

第10章 行動的ゲーム理論から考える  〔森久美子〕 169
  1.他者という不確実性      
  2.よく用いられるゲーム,よくみられる現象   
  3.他者を考慮する心      
 コラム8 神経経済学      

第11章 意思決定以前の選択から考える  〔坂上貴之〕 189
  1.同一物間選択       
  2.反応バイアス:選ばれやすい内容の選択肢   
  3.多肢選択肢問題での選択と正答が置かれた位置  
  4.異質選択肢がある多肢選択肢問題    
  5.選択からの逃避:「五分五分」回答    
  6.原始的な選択原理からの出発     

執筆者紹介

(執筆時)
編集
坂上貴之  慶應義塾大学文学部
(さかがみ・たかゆき)
略歴
 1953年 東京に生まれる
 1984年 慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程修了
 文学博士

執筆者(五十音順)
井垣竹晴  東京女学館大学国際教養学部
伊藤正人  大阪市立大学大学院文学研究科
川越敏司  公立はこだて未来大学システム情報科学部
佐伯大輔  大阪市立大学大学院文学研究科
嶋崎恒雄  関西学院大学文学部
高橋雅治  旭川医科大学医学部
恒松 伸  立命館大学文学部・非常勤講師
広田すみれ 東京都市大学環境情報学部
増田真也  慶應義塾大学看護医療学部
森久美子  関西学院大学社会学部
山岸侯彦  東京工業大学大学院社会理工学研究科

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