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内容紹介
〔内容〕総説(哺乳類とは/進化/人類の役割/哺乳類の分類)。アフリカ(生息環境/草原/砂漠/山地/湿地/森林)。ヨーロッパ(生息環境/草原/山地/湿地/森林)。
編集部から
「哺乳類を書物で語るとは,哺乳類がいまを生きる地球上の空間を,筆を執る者が自由自在に動きまわる仕事だと理解される。…」ではじまり「そう,哺乳類は美しい。それを生かす地球もまた,美しいのだ。…美しき哺乳類。それが皆さんの心に躍れば,監訳者にとってこれほど幸せなことはない。」で終わる特徴ある文章の序文。監訳者の遠藤先生は京都大学霊長類研究所教授,40歳になったばかりの新進気鋭の動物学者である。東大農学部長の林先生をして「100年にひとりの逸材」と言わしめている。『パンダの死体はよみがえる』で注目され,『解剖男』『人体失敗の歴史』と次々に上梓,いまマスコミの注目を浴びている。
本書は,“MAMMAL”の翻訳。翻訳出版の可能性を自然環境研究センターに打診したところ,「・スミソニアン博物館の研究者が編集した。・地域別にまとめてあるのがユニーク」とのことで,翻訳者に当時ウィスコンシン大学の大学院生の名取さん,監訳者に若手の遠藤先生を紹介してくれた。名取さんの訳は的確で,分量がほぼ原著のページ内におさまっていた。基本的に訳者の訳を尊重したいという遠藤先生だが,内容に関してはかなりシビアにチェックし,原著の修正を行っている。原著は216ページ。日本語版は,原著の順序を入れ替えるなど構成を工夫し,全3巻として刊行,中学生位からの幅広い層の読者を対象としている。(井上昭)