ⓔコラム10-11-1 換気応答

 これらの換気応答は,低酸素換気応答検査 (hypoxic ventilatory response: HVR) や高二酸化炭素換気応答検査 (hypercapnic ventilatory response: HCVR) によって測定することができる (図1).換気応答で,呼吸出力の指標は分時換気量 (minute ventilation: $\dot{V}$E) であるが,呼吸中枢出力が必ずしも換気に反映するわけではないので,P0.1(ピーポイントワン) も測定する.P0.1は,吸気弁を閉じた状態で吸気開始後0.1秒時の閉鎖回路口腔内圧を測定して呼吸中枢出力の指標とするものである.$\dot{V}$EやP0.1を指標に,低酸素 (HVR) や高二酸化炭素 (HCVR) を付加して,その反応によって化学調節系を評価できる.近年,倫理的問題もあり,HVRは通常行われていない.

図1 高二酸化炭素換気応答と低酸素換気応答の一例 (健常者).

〔陳 和夫〕