ⓔコラム10-12-1 食事要因

 疫学的に,さまざまな食事要因 (抗酸化剤,アブラナ科野菜,植物エストロゲン) が肺癌のリスクを低下させることが示唆されている1)が,各食事因子の発癌への関与に関しては十分に確立されていない.肺癌のリスクは,成人期の果物と野菜の摂取量が少ない群で高いことが知られている.そのため,特定の栄養素,特にレチノイドとカロテノイドが肺癌に対して化学予防効果があるかもしれないという仮説のもとで行われた無作為化試験では,この仮説は検証できなかった.研究では,肺癌の発生率はサプリメントを摂取した喫煙者の間で逆に増加していることが判明した.また日本からの研究でも抗酸化ビタミン摂取と肺癌罹患リスクには関連がみられていない2)

〔寺井秀樹・副島研造〕

■文献

  1. Wu Q, Xie L, et al: Cruciferous vegetables consumption and the risk of female lung cancer: a prospective study and a meta–analysis. Annals of Oncology, 2013; 24: 1918–1924.

  2. Narita S, Saito E, et al: Dietary consumption of antioxidant vitamins and subsequent lung cancer risk: The Japan Public Health Center–based prospective study. International Journal of Cancer, 2018; 142: 2441–2460.