ⓔコラム11-3-4 血管腫

疫学

 血管腫は食道良性疾患の約5%で,毛細血管性血管腫と海綿状血管腫に大別され,ほとんどが海綿状血管腫である.

病理

 血管腫は海綿状血管腫と診断することが多く,おもに粘膜固有層から粘膜下層に血液の貯留する拡張した静脈がみられる.

診断

 血管腫はやわらかく不整形で,色調は腫瘍が存在する深さにより異なり,白色・黄白色・青色調で粘膜下腫瘍様の形態を呈する (図1).孤立性静脈瘤との鑑別は肉眼的には困難である.EUSによるカラードプラにて血管腫は腫瘍内への血流を認めないが,孤立性静脈瘤では血流がある.なお,出血のリスクから生検は好ましくない.

経過・治療

 血管腫に対する治療に明確な基準や方法はないが,腫瘍による消化管出血や嚥下障害,気道閉塞の危険がある症例では治療が必要となる.

図1 血管腫. 青色調の扁平隆起,脱気すると粘膜下腫瘍様の形態.

〔後藤田卓志〕