ⓔコラム12-1-2 肝線維化マーカー

 肝線維化の評価は肝疾患の病態の把握のみならず,肝発癌の予測因子としても重要である.肝線維化評価の基本は組織診断であるが,肝生検は入院を必要とし,観血的検査であることから,より簡便な評価方法が望まれていた.このような背景で,肝線維化マーカーによる評価法が開発された.

 ヒアルロン酸は線維性コラーゲン分子間を埋める基質で,血中ヒアルロン酸のほとんどが肝類洞内皮細胞に取り込まれる.肝硬変では類洞内皮細胞の機能低下によりヒアルロン酸の血中濃度が上昇する.Ⅳ型コラーゲンは基底膜の主要構成成分の1つである.正常肝には基底膜はないが,肝線維化の過程で類洞の毛細血管化が起こり,基底膜が形成される.このため,血中にⅣ型コラーゲンまたはその7Sドメインが増加する.PⅢP (Ⅲ型プロコラーゲンペプチド) はⅢ型プロコラーゲンのN末端ペプチドで,Ⅲ型プロコラーゲンがⅢ型コラーゲンとして重合する際に切断される.このため,PⅢPは体内でのⅢ型コラーゲンの合成速度を反映する.M2BPGiは,M2BP糖蛋白の糖鎖部分の構造変化をとらえる検査で,この変化は肝線維化の進行と関連することから,M2BPGiは肝線維化マーカーとして用いられる.

〔田中榮司〕