ⓔコラム12-1-6 ビリルビンの測定

 正常では血清ビリルビンの濃度はおよそ1 mg/dL (17 μM/L) であり,抱合型は5%未満にすぎない.一般的な測定はジアゾ反応を比色的に測定することにより行われる.抱合型は急速に (直接的に) 試薬に反応するのに比して,非抱合型はアルコールのような反応促進物質を必要とし,血清総ビリルビンは反応促進物質負荷後の反応後の総量である.ここから反応物質添加前の値 (直接型) を引いた分が間接型の量となる.直接型で計測されるのは通常抱合型であるが,MRP3を介して血中に逆流した抱合型ビリルビンとアルブミンが血中で二次的に共有結合した分画 (δビリルビン) も計測される.δビリルビンは血清中で抱合型ビリルビンから非酵素的に生成され,グルクロン酸を構造にもたない.δビリルビンはアルブミンの半減期と同様に長期にわたり血中に存在する.このため病態の改善とともに速やかに下降するはずのビリルビンが,一般的な臨床検査では長期にわたり異常を示しつづけるという病態と臨床検査の乖離の原因となる.そのため直接ビリルビンよりも,より実際の病態を反映する抱合型ビリルビンを特異的な酵素法で測定する方法が開発されている.

〔上野義之〕