ⓔコラム12-6-1 いわゆるJカーブ効果について

 少量の飲酒による虚血性心疾患などの発症抑制効果 (いわゆるJカーブ) が指摘されているが,過度な飲酒は明らかに血圧や糖脂質代謝に悪影響を及ぼす.Jカーブのボトムに相当する「適量」には個人差,性差がきわめて大きいため,一様に「適度な飲酒量」を決めることは不可能である.「適度な飲酒ができる」という健康状態や経済状態などの交絡因子が影響しているとの指摘もある.2018年,Lancetに健康リスクは1日飲酒量0ドリンクの場合が最も低く,飲酒量の増加に伴い健康リスクが増加するというデータが報告された1).このように,最近ではJカーブの意義について批判的な見解が増えている.

〔竹井謙之〕

■文献

  1. GBD 2016 Alcohol Collaborators: Alcohol use and burden for 195 countries and territories, 1990–2016: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2016. Lancet, 2018; 392: 1015–1035.