ⓔコラム13-32-5 診断に際して有用なもの

 ピークフローを毎日記録するのはきわめて有効で,仕事日と休日で,1日に4回ピークフローを測り,症状と使用薬剤を記録することにより,感度は73%,特異度は100%となる.記録期間は,4週間で感度は81.8%,特異度は93.8%となる1).システマティックレビューでは,休日および仕事日での継続的なピークフローの測定が,最も有用な方法であることが明らかとなった2)

 気道過敏性は,ウイルスなどの感染,治療の程度,胃食道逆流や職業以外の物質の吸入の影響により変化しやすく,気道リモデリングがある場合は数か月以上続くので,職業性喘息の診断にはあまり有用でない3)

 誘発痰中の好酸球は,原因アレルゲンに曝露されると増加しやすいので,感作物質誘発職業性喘息では診断に有用である4)

 呼気中一酸化窒素濃度 (FeNO) 測定では,高分子量アレルゲンが原因の場合は上昇するが,低分子量アレルゲンのみの場合には上昇しない.感作物質誘発職業性喘息の診断でのFeNO測定の有効性は,高分子アレルゲンの場合である.また,FeNO測定の職業性喘息の診断における有用性の検討は,今後の課題である4,5)

〔土橋邦生〕

■文献

  1. Anees W, Gannon PF, et al: Effect of peak expiratory flow data quantity on diagnostic sensitivity and specificity in occupational asthma. Eur Respir J, 2004; 23: 730–734.

  2. Moore VC, Jaakkola MS, et al: A systematic review of serial peak expiratory flow measurements in the diagnosis of occupational asthma. Ann Respir Med, 2010; 1: 31–44.

  3. 日本職業・環境アレルギー学会ガイドライン専門部会編:職業性アレルギー疾患診療ガイドライン2016,協和企画,2016.

  4. Lau A, Tarlo SM: Update on the management of occupational asthma and work–exacerbated asthma. Allergy Asthma Immunol Res, 2019; 11: 188–200.

  5. Lemiere C, NGuyen S, et al: Occupational asthma phenotypes identified by increased fractional exhaled nitric oxide after exposure to causal agents. J Allergy Clin Immunol, 2014; 134: 1063–1067.