ⓔコラム13-35-5 アトピー性皮膚炎の悪化因子と汗アレルギー

 アトピー性皮膚炎のかゆみの誘発・悪化因子としては,温熱,発汗,ウール繊維などの衣類との接触,ナイロンタオルなどのかたい素材布での擦過,精神的ストレス,飲酒,感冒などが問題となる.小児では唾液,ある種の食物も悪化因子となりうる.なお,2006年および2012年に妊婦・授乳婦へのアレルゲン除去食による無作為化対照比較試験 (randomized controlled trial: RCT) のシステマティックレビューが報告され,妊婦や授乳婦のアレルゲン除去による食事制限は生後から18カ月児までのアトピー性皮膚炎の発症を抑制する効果はなかった1).また,アトピー性皮膚炎の汗による悪化は古くから知られていたが,Hideらはアトピー性皮膚炎では自己汗を皮内注射すると膨疹と紅斑を生じることから汗に含まれる成分を精製,分析し,約80%のアトピー性皮膚炎患者が汗中に存在する癜風 (でんぷう) 菌 (Malassezia globosa) の分泌する水溶性蛋白質 (MGL_1304) に対するⅠ型アレルギーをもつことを証明した2,3)

〔秀 道広〕

■文献

  1. Kramer MS, Kakuma R: Maternal dietary antigen avoidance during pregnancy or lactation, or both, for preventing or treating atopic disease in the child, The Cochrane Database Syst Rev, 2012: Cd000133.

  2. Hiragun T, Ishii K, et al: Fungal protein MGL_1304 in sweat is an allergen for atopic dermatitis patients. J Allergy Clin Immunol, 2013; 132: 608–615. e604.

  3. Takahagi S, Tanaka A, et al: Sweat allergy. Allergol Int, 2018; 67: 435–441.