ⓔコラム17-10-19 骨病変発症因子

 骨病変は,骨代謝をつかさどる2つの細胞の異常,すなわち破骨細胞の異常活性化と造骨細胞の抑制によって引き起こされる.破骨細胞は骨髄腫細胞が分泌するMIP–1α/βや,ストローマ細胞が発現するRANKL (receptor activator of nuclear factor kappa B ligand) によって分化・増殖が誘導され活性化され骨を吸収する.Wnt/βカテニン経路の可溶性抑制因子であるDKK1やSFRP2は骨芽細胞の増殖を抑制し造骨を低下させる.これによって骨破壊が亢進する.

〔半田 寛〕