ⓔコラム17-10-1 単一遺伝子変異による先天性好中球減少症

 最近の遺伝子解析技術の進歩により,先天性好中球減少症の原因遺伝子が同定されつつある.このなかには好中球以外の血球減少や,心臓や骨格などほかの臓器に異常を認めたり精神発達遅滞が伴ったりする疾患がある.このうち5疾患は生後早期から好中球数200/μL未満となる重症先天性好中球減少症 (severe congenital neutropenia: SCN) に分類される (ⓔ表17-10-1).SCNの約70%がELANE変異による常染色体顕性遺伝のSCN1で,HAX1による常染色体顕性遺伝のSCN3 (Kostmann病) が次ぐ.G–CSF製剤への反応が不良な症例では高率にcolony stimulating factor 3 receptor(CSF3R) の後天的な変異を獲得し,骨髄異形成症候群や急性骨髄性白血病を発症するため,定期的な骨髄検査が必要となる.

〔山下浩平〕