ⓔコラム17-8-2 ABO型不適合移植後の輸血

 ABO型副不適合の同種造血幹細胞移植では輸注した幹細胞液の血漿中の抗体や輸注されたリンパ球から産生された抗体によって患者赤血球の溶血を生じる可能性がある.さらに移植後7~14日頃の急激な溶血に注意が必要である.輸血を行う場合は,赤血球 (red blood cell: RBC) はドナー型,血小板 (platelet concentrate: PC) と新鮮凍結血漿 (fresh frozen plasma: FFP) は患者型を用いる.一方,ABO型主不適合を伴う同種造血幹細胞移植後は患者体内の抗体によって,輸注した幹細胞液の赤血球や輸注された幹細胞から分化された赤芽球および赤血球の溶血を生じる可能性がある.移植後も患者抗体が長期間にわたって残存することもあり,その場合は赤芽球癆様の病態を呈する.輸血を行う場合は,RBCは患者型,PCとFFPはドナー型を用いる.

 患者 A型,ドナー B型のような双方向不適合においては副不適合,主不適合両者の合併症を生じる可能性がある.輸血を行う場合は,RBCはO型,PCとFFPはAB型を用いる (表1).

表1 ABO型不適合移植で用いる血液製剤.

〔神田善伸〕