ⓔコラム18-6-2 その他の治療法

 集束超音波療法はMRIガイド下に,約1000本もの超音波ビームが焦点に照射されることで,脳内の標的位を焼灼することで治療する方法である.超音波エネルギーは,頭蓋骨を切開または穿頭することなく頭蓋骨を通過し,蛋白質が変性する閾値温度の60℃付近まで標的の組織を加熱することで焼灼する.症状の改善や望ましくない副作用について生理学的な評価を行う.治療効果は,治療照射中および治療照射後,比較的早期に確認できる.振戦治療には,視床Vim核をターゲットとする.本態性振戦の治療は,2019年6月から保険適用となっている.2020年9月には,Parkinson病の振戦に対して視床Vim核治療とParkinson病の淡蒼球を標的とする治療の保険適用が追加された.

〔望月秀樹〕