ⓔコラム5-16-2 脾腫の身体診察

 脾臓を触診するときには,患者を仰臥位として腹壁の緊張を解くために両膝を屈曲させ,ゆっくり腹式呼吸をさせながら,双手診により吸気時に右手指先を左肋骨弓下に潜り込ませるようにして,脾臓を探る.正常の脾臓は肋骨弓下に隠れ,触診することができない.ただし,やせている人では指先で脾臓を触知することもあるので,脾臓が触診できたらすべて脾腫がある,ということはできない.一方で,脾臓を触診できないから脾腫がない,ということもできない.左季肋 (きろく) をこえて容易に脾臓を触診できる場合には脾腫があると考えてよく,特に脾臓下縁 (かえん) が臍部をこえるほどの巨大な脾腫を巨脾と称する.どの程度の大きさのものを巨脾とするかについて明確な基準はない.

〔須永眞司〕