ⓔコラム5-17-1 リンパ節の構造と機能

 リンパ節は,リンパ管と血管 (動静脈),実質 (皮質,傍皮質,髄索) から構成される (ⓔ図5-17-1).リンパ管は,皮下組織など全身の組織に分布する毛細リンパ管から始まり,複数のリンパ管が輸入リンパ管となって,そら豆型をしたリンパ節の凸型の部分からリンパ節に入る.リンパ節の被膜を貫いた輸入リンパ管は,被膜と皮質の間にある辺縁洞に連なる.辺縁洞は中間洞となって皮質内へ進入し,髄質にある網目状の髄洞に至る.リンパ液の一部は辺縁洞から中間洞を通って髄洞へ流れるほか,辺縁洞から皮質に漏れ出して実質内を灌流し,髄洞へ流入するものもある.髄洞は輸出リンパ管となって,リンパ節の凹型部分であるリンパ門から出ていく.輸出リンパ管は,次のリンパ節に輸入リンパ管となって進入することを繰り返し,最終的に両下半身および左上半身からのリンパ管は胸管となって左静脈角 (内頸静脈と鎖骨下静脈の合流部) で静脈に合流する.右上半身からのリンパ管は右リンパ本管に集まって右静脈角で静脈に合流する.輸入リンパ管からリンパ節に流入するリンパ液は,組織から運ばれてきた種々の抗原や微生物などを含んでいる.これらの異物はリンパ洞 (辺縁洞,中心洞,髄洞の総称) 内に存在するマクロファージで処理された後に,輸出リンパ管から出ていく.このように,リンパ節はリンパ液を濾過する働きをもっている.

 血管はリンパ門から出入りする.リンパ門からリンパ節に入った動脈は分枝して毛細血管となり,傍皮質 (皮質と髄質の間の領域) で背の高い内皮細胞をもつ高内皮細静脈 (high endothelial venule: HEV) となる.HEVで血液中のリンパ球がリンパ節実質内に出ていき,抗原刺激を受けて増殖・分化し,またHEVから血液中に戻る,という循環を行っている.HEVは静脈となってリンパ門から出ていく.

 リンパ節の実質にはリンパ球がおもに存在するほか,マクロファージや形質細胞など免疫に関係した細胞も存在する.皮質には,リンパ球が密に集合して結節を形成する部分があり,これをリンパ濾胞とよぶ.濾胞には,小型のリンパ球が集簇する一次濾胞と,中心部に中~大型のリンパ球やマクロファージが集簇し (胚中心),その周囲を小型リンパ球が帯状に取り囲む (暗殻,mantle zone) 二次濾胞とがある.濾胞を構成するリンパ球はおもにB細胞であり,濾胞間にはT細胞が分布する.傍皮質にもおもにT細胞が分布し,髄索には形質細胞やB細胞,マクロファージなどが分布している.一次濾胞中のB細胞は,抗原刺激を受けると活性化されて増殖し,二次濾胞を形成する.二次濾胞で成熟したB細胞は,形質細胞と記憶B細胞に分化する.これらの細胞はいずれも濾胞外へ出て,形質細胞は抗体を産生し,記憶B細胞は長期にわたって体内で生き続け,次に同じ病原体が侵入してきたときに備える働きをしている.

〔須永眞司〕