ⓔコラム6-1-6 抗HCV薬

 以前はペグインターフェロン (Peg–IFN) とリバビリンとの併用が慢性C型肝炎に対するおもな抗ウイルス療法であった.しかし2014年以降,IFNを用いない直接作用型抗ウイルス薬 (direct acting antivirals: DAA) による治療が主流になり,HCVの排除 (治癒),すなわち治療終了後12週の時点で血中にHCV RNAが検出されない状態 (sustained virologic response: SVR) の達成率が大きく向上した (初回治療では95%以上).2020年現在,日本で利用できるDAAにはNS3/4Aプロテアーゼ阻害薬 (アスナプレビル,グラゾプレビル,グレカプレビル),NS5A複製複合体阻害薬 (ダクラタスビル,レジパスビル,エルバスビル,ピブレンタスビル,ベルパタスビル),NS5Bポリメラーゼ阻害薬 (ソホスブビル) があり,異なるクラスから1剤ずつ,計2剤を組み合わせて治療する.慢性C型肝炎の患者はすべて,原則として抗HCV薬による治療が検討される.HCVゲノタイプ,代償性または非代償性肝硬変の有無,治療歴や薬剤耐性などに基づいて,薬剤と治療期間 (8~24週) を選択する.

〔畠山修司〕