ⓔコラム6-1-9 心臓疾患患者へのリハビリテーション

 心臓疾患に対する運動療法は,急性期には厳密な医学管理下で座位,立位,短距離歩行と徐々に運動量を上げていく必要がある.その後,1週間程度で回復期となり,回復期では呼気ガス分析装置を使用した心肺運動負荷試験により嫌気性代謝閾値 (AT) を測定する.運動強度をATレベルに合わせ,自転車エルゴメーターやトレッドミルを使用した有酸素運動 (持久力訓練) から開始し,その後,運動強度を徐々に上昇させていく.さらに筋力増強訓練も併用して行う.回復期では,病状に合わせ外来リハビリテーションへ移行し,3カ月程度の医学的管理下での運動療法を継続する.その後,病状が安定すれば外来リハビリテーションは終了し維持期となり,地域の運動施設などを利用して適正な運動強度での運動習慣を身につけていくことが重要とされている.

〔中村 健〕