ⓔコラム7-10-10 エンテロウイルス感染症の動向

 2014年には,米国においてエンテロウイルスD群68型による重症呼吸器疾患の増加がみられた.また同時期に急性弛緩性麻痺や脊髄炎を呈した患者の一部からエンテロウイルスD68が検出された.国内でも急性弛緩性麻痺のアウトブレイクが2015年に起こっており,59例中55例が小児で,9例から (5例が鼻咽頭,2例が便,1例が髄液,1例が気管吸引液と鼻咽頭,および血清から) エンテロウイルスD68が検出された1).抗ガングリオシド抗体が陽性であった症例もあり,エンテロウイルスD68による急性弛緩性麻痺の発症には免疫学的な機序も関連している可能性が指摘されている.

〔柏木保代〕

■文献

  1. Chong PF, Kira R, et al: Clinical features of acute flaccid myelitis temporally associated with an Enterovirus D68 outbreak: results of a nationwide survey of acute flaccid paralysis in Japan, August–December 2015. Clin Infect Dis, 2018; 66: 653–664.