ⓔコラム7-10-9 ヒトメタニューモウイルス

 ヒトメタニューモウイルス感染症はRSウイルス感染症より高い年齢分布で罹患する傾向がある.1回の感染では再感染を防ぐに十分な免疫が得られず,成人になっても何度も再感染を起こす.重症例は乳幼児,高齢者,免疫不全状態の患者にみられるが,すべての年齢層に上気道炎から喘息性気管支炎,肺炎まで引き起こす.高齢者施設での集団感染も報告され,乳幼児のみではなく高齢者にも注意を払う必要があり,今後も臨床知見の集積が必要な感染症である1)

〔柏木保代〕

■文献

  1. 菊田英明:ヒトメタニューモウイルス.臨床とウイルス, 2011; 39: 193–200.