ⓔコラム8-8-3 Fontan循環

 機能心室が1つしかない先天性心疾患 (機能的単心室) において,上下大静脈を直接肺動脈にバイパスする機能的修復術を行った状態である.右室が存在しない非生理的な循環であることから,Fontan姑息術ともよばれる.基礎疾患として,内臓錯位症候群に伴う単心室,左心低形成症候群,三尖弁閉鎖,VSDを伴わない肺動脈閉鎖などが存在する.成人期以降において,慢性心不全,難治性不整脈,血栓塞栓症,肝硬変,蛋白漏出性胃腸症,肺動静脈瘻,感染性心内膜炎などの続発症が生じる.心機能が低下した症例,房室弁閉鎖不全が高度の症例,難治性不整脈,中心静脈圧が高い症例,肝硬変合併例の予後は不良で,長期生存は望めない.Fontan循環の最長期生存例は40歳代にとどまっている.

〔白石 公〕