ⓔコラム9-1-2 オシロメトリック法による電子自動血圧計

 今日,オシロメトリック法による電子自動血圧計は家庭血圧測定の主流であり,診察室血圧測定においても一般的に用いられている.オシロメトリック法が聴診法と基本的原理の異なる測定法であるにもかかわらず普及してきたのは,本法がカフ脈動という単純な信号を基礎としているため血圧計の構造が単純であり,そのため故障が少なく,装置のコストダウンが可能になり,それらが製造・普及の原動力となったことが一因である.また聴診法と異なり周囲の騒音による影響を受けない点も普及の理由の1つである.近年,オシロメトリック法で得られた血圧値による臨床データ,疫学データも集積されており,その意義は確立されている.

 しかしながら,本文で述べたように,収縮期血圧・拡張期血圧はアルゴリズムに基づいた推定であるため,信頼できる電子自動血圧計を調達するためには臨床評価状況を確認する必要がある.振動センサーを内蔵するカフも定期的な交換が必要である.日本高血圧学会では,血圧計についての調査結果をウェブページに製造・販売会社別に公表している1).各血圧計の試験結果についての学術論文と,血圧計・カフの耐用年数・メンテナンス情報も掲載されているため,機種の選択の際に参考にされたい.

〔大久保孝義〕

■文献

  1. 日本高血圧学会 学術委員会 血圧計に関するワーキンググループ:日本高血圧学会 血圧計の試験結果に関する集計.http://www.

jpnsh.jp/com_ac_wg1.html