ⓔノート13-16-1 疾患概念の変遷

 FMは国際的にはよく認知されている病態であり,歴史的にはnon–articular rheumatism (非関節性リウマチ),soft tissue rheumatism (軟部組織リウマチ),muscular rheumatism (筋肉リウマチ),fibrositis (結合組織炎),あるいはprimary fibromyalgia syndrome (原発性結合筋痛症候群) などと記載されてきた.FMはわが国でもけっしてまれな疾患ではないにもかかわらず,本格的な取り組みは遅く,ようやく2003年に厚生労働省の研究班が立ち上がり2009年に日本線維筋痛症学会 (Japan College of Fibromyalgia Investigation) が発足,疾患概念の啓発と普及を期して線維筋痛症診療ガイドライン2011が刊行され,2013年,2017年にエビデンスに基づく記載を充実させた改訂版が出版されている状況である.

〔村上正人〕