ⓔノート14-1-16 急性腎障害のマーカー

 薬剤や循環不全などにより急性腎障害をきたしても,血清クレアチニンが上昇するのは48~72時間後であり,より早期に急性腎障害を発見するためのバイオマーカーとしてneutrophil gelatinase–associated lipocalin (NGAL),interleukin 18 (IL–18),kidney injury molecule–1 (KIM–1),L–type fatty acid binding protein (L–FABP) などが注目されている1).例えば,心臓手術後の急性腎障害を発症した患者では,術後2時間からNGALやL–FABPが上昇することが報告されている.GFRの指標となるシスタチンCも尿細管でほとんどが再吸収され,通常は尿中に認めないが,尿細管障害があると早期に尿シスタチンCが増加する.

〔猪阪善隆〕

■文献

  1. Bonventre JV, Vaidya VS, et al: Next–generation biomarkers for detecting kidney toxicity. Nat Biotechnol, 2010; 28: 436–440.