ⓔノート14-1-8 近位尿細管障害

 小分子蛋白であるβ2–MG (分子量1万1800) は糸球体で濾過されるが (約10 g/日),近位尿細管で80%以上が再吸収を受ける.近位尿細管障害により再吸収が阻害されると尿β2–MGが増加する (尿細管性蛋白尿).尿細管障害がなくても,悪性腫瘍や膠原病など炎症反応性に血清β2–MGが増加したときは,近位尿細管細胞の再吸収閾値をこえると尿β2–MGが増加する (腎前性蛋白尿).しかし,尿pHが5.5以下ではβ2–MGがプロテアーゼにより分解されるため,測定値は低値を示す.α1–MG (分子量3万) も糸球体で濾過され,近位尿細管で再吸収を受けるが,α1–MGは尿pHの影響を受けない.

〔猪阪善隆〕