ⓔノート14-3-9 MPGNの有病率

 2007年から2015年における日本腎臓学会レジストリーの調査によると,免疫複合体型,補体関連型MPGNの両者に加え,IgA腎症,血栓性微小血管症 (TMA),糖尿病など他疾患を含んでおり,新分類によるMPGNの正確な有病率予測は困難である.近年疾患概念が定義されたC3腎症に関しては疫学調査が存在しないため,現在日本腎臓学会,日本補体学会で疫学コホート研究が行われている.補体活性化制御に関する遺伝子の変異を背景とした家系分析や遺伝子診断の進歩により,今後はより多くの患者が同定されると考えられる.

〔坪井直毅〕