ⓔノート14-6-3 ORGの病理像

 Kambhamらの報告ではORGを50例のi–FSGSと比較検討し,ORGではネフローゼ域の高度尿蛋白症例割合が低く (ORG vs i–FSGS;48% vs 66%),ネフローゼ症候群率も低く (5.6% vs 54%),アルブミン高値 (3.9 g/dL vs 2.9 g/dL) であり,血清コレステロール値も低く (229 mg/dL vs 335 mg/dL),浮腫が低頻度 (35% vs 68%) であった1).腎生検組織では巣状硬化病変割合が低く (10% vs 30%),糸球体肥大が顕著で (100% vs 10%),ポドサイト足突起融合は低頻度 (40% vs 70%) であった.長期的解析では,血清クレアチニン倍化 (14.3% vs 50%),末期腎不全進展 (3.6% vs 42%) ともORGで低かった.スペインからの報告では,FSGS病変を有するORGの腎生存率は5年77%,10年51%,一方,i–FSGSではそれぞれ52%,30%と報告されている.

〔金﨑啓造〕

■文献

  1. Kanasaki K, Kitada M, et al: The biological consequence of obesity on the kidney. Nephrol Dial Transplant, 2013; 28: iv1–7.