ⓔノート15-14-1 AngⅡとACEⅡ

 AngⅡはAT2にも結合するが,AT2の作用はAT1と比べると解析が遅れている.AT2受容体は胎生期には心血管系はじめ体内に広く分布しているが,生後は脳と子宮では発現が認められるが,心血管系での発現は認められない.しかし,病的条件では,AT2も心臓での発現は増加している.AT2の働きは複雑で,AT1作用に拮抗するとの報告も多いが,AT1と協調して心臓の肥大に関与しているとの報告もある1)

 また,AngⅡのC端のアミノ酸が切断されたAng (1~7) は,ANGⅡに機能的に拮抗することが報告されていたが,AngⅡよりAng (1~7) の生成を介在するACEⅡが発見され,さらに,Ang (1~7) は癌遺伝子であるmas受容体に結合し,おおむねAngⅡの作用に拮抗するように作用している2)

〔斎藤能彦〕

■文献

  1. Bader M: ACE2, angiotensin–(1–7), and Mas: the other side of the coin. Pflugers Arch, 2013; 465: 79–85.

  2. 千本松孝明:アンジオテンシンⅡ2型受容体の最新の知見.日本薬理学雑誌,2007; 129: 258–261.