ⓔノート15-2-4 特発性高ナトリウム血症

 後天性に高ナトリウム血症が出現し,視床下部周辺の器質的異常が認められない症例がまれながら報告されてきた.原因不明とされてきたが,最近脳室周囲核の浸透圧感知神経細胞上の電位非依存性ナトリウムチャネルに対する機能消失型の自己抗体が認められることが明らかになり,このチャネルの後天的機能消失が原因と考えられるようになった.この解明により,ナトリウム濃度感知機構の詳細が明らかになりつつある.

〔高野幸路〕