ⓔノート18-4-19 CTの進歩

 1970年代に出た初期のCT装置では1枚の断面を得るのに5分程度の時間がかかったという.しかしその後の技術革新により近年の機種では検査台を動かしながら連続撮影 (ヘリカルスキャン) を行うことが可能である.またX線を受ける検出器の多列化により1回転あたり複数の断面を同時撮影することが可能となっている.上二者の組み合わせにより全身を数秒で撮影することが可能であり,急速にスループットが向上した医療機器の1つである.

 さらに最近の技術進歩としてはdual energy CTが挙げられる.この装置では2種類の異なる電圧のX線を用いて撮影を行うことが可能である.電圧により物質のX線吸収が異なることを利用し物質弁別を可能とした.例えば造影剤による高吸収と石灰化による高吸収は通常のCTでは見分けることが困難な場合があるがdual energy CTでは容易となる1)

〔山田 惠〕

■文献

  1. Noguchi K, Itoh T, et al: A novel imaging technique (X–map) to identify acute ischemic lesions using noncontrast dual–energy computed tomography. J Stroke Cerebrovasc Dis, 2017; 26: 34–41.