ⓔノート18-4-27 その他のシンチグラフィ

 脳槽シンチグラフィは低髄圧症候群の時に脳脊髄液の漏出点を見つけるのに用いられる.後に述べるmyelographyと同じ要領で脊柱管に細い針を刺して111In–DTPAを注入することにより達成される.脊柱管や脳槽内のトレーサーを経時的にフォローすることで,どの部分からCSFの漏出が起きているかを類推することが可能である.

 心筋シンチグラフィに用いられる核種である123I–MIBGを使用した検査がLewy小体型認知症 (DLB) の診断基準に入っている.神経伝達物質であるノルアドレナリンと類似する化合物であるため正常であれば交感神経終末が発現している心筋に広く分布する.交感神経終末に問題が生じるDLBやParkinson病では集積が低下するため診断に有用である.本薬剤はほかには神経芽細胞腫 (neuroblastoma) の診断に用いられる.

〔山田 惠〕