ⓔノート2-1-18 DCSとAGEの潜水プロフィールによる鑑別点

 意識障害,脊髄障害あるいは内耳障害があった場合,DCSとAGEの鑑別は困難な場合があるが,潜水プロフィールによる鑑別点は以下のとおりである.

①急浮上の場合にはAGEが生じやすい.

②浮上中に息こらえや咳などがあった場合にはAGEが生じやすい.

③減圧表からの逸脱度合いが大きいほどDCSの危険が高い.

④10 m以浅の潜水ではDCSの頻度はかなり低くなり,6 m以浅では起きないが,AGEは深度6 m以浅の潜水でも起きる.

⑤空気による深深度潜水では,脊髄型DCSを生じやすい.

 実際には,意識障害などの重篤な症状が出ている症例に対し,それがDCSであるかAGEであるか発症時点で厳密に区別する必要はない.いずれも緊急の再圧治療が必要であり,その再圧プロトコールも重篤なDCSとAGEとも同じ流れで治療することになっているからである.

〔鈴木信哉〕