ⓔノート2-1-44 たこつぼ心筋症の診断

 心電図では,前胸部誘導でST上昇と陰性T波が認められ急性心筋梗塞様であるが,心エコー検査では,急性心筋梗塞様ではなく,左室流出路の狭小化や心尖部無収縮などの壁運動異常が認められる.血液検査では,心筋逸脱酵素の上昇がないか軽微である.確定診断には緊急冠動脈造影を実施して冠動脈病変がないことを確認することが必要であるが,災害時には停電や設備の損傷で実施できないことがあり,心電図により急性心筋梗塞との鑑別を行うことが必要になる.そのポイントは,通常の急性前壁梗塞では,V1~V4でST上昇を認めるが,たこつぼ心筋症の特徴的な心電図は,V1でのST上昇が欠如し,aVRでST低下を認めるところである.

〔小井土雄一〕