ⓔノート5-19-1 腹腔壁の反応異常

 近年,消化管内ガスによる腹部膨隆の病態の1つとして提唱されているのは,貯留したガスによる消化管の伸展刺激に対する腹腔壁の反応の異常である.消化管の伸展刺激に対して前方の腹壁の筋肉が緊張し横隔膜が緩むと腹壁を前方に突出させることなく腹腔内の容量を増やせるので腹部膨隆には至らない.しかし,腹部膨満が持続すると消化管内のガスの量に大きな変化がないにもかかわらず消化管の伸展刺激に対する反応に異常をきたし,横隔膜は緊張し胸腔が広がり前方の腹壁の筋肉が緩んで腹部が膨隆するとの説である1)

〔名越澄子〕

■文献

  1. Accarino A, Perez F, et al: Abdominal distention results from caudo–ventral redistribution of contents. Gastroenterology, 2009; 136: 1544–1551.