ⓔノート5-42-1 正常な下部尿路機能

 排尿時:排尿を意図すると,大脳から仙髄陰部神経 (Onuf核) に対して抑制が起こり,尿道が弛緩する.同時に,橋排尿中枢に対する抑制が解除され,逆に促進中枢への刺激が起こるために排尿反射が開始される.成人の初発尿意 (尿意を感じる) 時の膀胱容量は 150~250 mLで,1回の排尿量は200~400 mL,最大尿意時の膀胱容量は 300~500 mLである.蓄尿中の膀胱内圧は低く一定に保たれ,膀胱収縮による圧上昇はない.一方,排尿期では,いつでも排尿でき,排尿中に特別な努力を要しない.

〔山西友典〕