ⓔノート7-10-17 ポリオウイルスの分類

 ポリオウイルスはその由来により,野生株 (wild–type poliovirus: WPV),経口生ポリオワクチン (OPV) に使用するワクチン関連株 (vaccine–related poliovirus: VRPV),OPVから派生したワクチン由来株 (vaccine–derived poliovirus: VDPV) の3種類に分類される1).VDPVのうちヒト-ヒト感染が証明されたものをcVDPV (circulating vaccine–derived poliovirus) とよぶ.OPVは接種された児の腸管内で増殖し体外に排泄される.もし,その集団全体のポリオに対する免疫状態が十分ではない場合には,排泄されたVDPVは長期間にわたって集団内で生存し,ときに変異をきたす.変異したポリオウイルスは野生株と同様に麻痺を生じることがある.cVDPVによるアウトブレイクは21カ国で24回報告されている2).cVDPVの90%以上はOPVに含まれる2型由来であることから,3価のOPVから2型を除去した2価のOPVに変更して,cVDPV2の感染リスクを減少させることが可能である.また,cVDPVの流行自体は,当該地域に対して積極的にポリオワクチン接種の活動を行うことにより終息することもできる.

〔城 裕之〕

■文献

  1. Romero JR: Poliovirus. Mandell, Douglas, and Benett’s Prinncples and Practice of Infectious Diseases, 9th ed (Benett JE, Dolin R, et al eds), Elsevier, 2020; 2020–2026.

  2. WHO: What is vaccine–derived polio? https://www.who.int/news-room/q-a-detail/poliomyelitis-vaccine-derived-polio.2017.