ⓔノート7-10-1 HPVの生活環

 重層扁平上皮の傍基底細胞では,E6, E7が発現し細胞の増殖を促進させる.中間層では,E1,E2がウイルスゲノムの複製を促す.表層近くになると,同時にウイルスキャプシドを形成する構造蛋白質L1,L2が発現し,L1/L2キャプシドがウイルスゲノムをパッケージングして新しいウイルス粒子が完成し,重層扁平上皮の剝離とともにウイルスは腟内に放出される.

 潜伏状態 (潜伏感染) ではHPVはほとんど複製することなく数コピーで存在しかつ感染細胞が分裂しても脱落しない.ごくわずかに発現するE2によってウイルスDNAは宿主細胞のゲノムと結合し,細胞分裂時に一緒に分裂細胞に移動する.この仕組みによってHPVは粘膜基底層に存在しつづけることができる.

〔川名 敬〕