ⓔノート7-10-20 ポリオの臨床症状

 麻痺を生じるケースの5〜35%に球麻痺が出現する.第9・第10脳神経が障害されることが多く,嚥下障害,開鼻声,呼吸困難を生じる.また,ポリオ脳炎はおもに乳児に生じるまれな病型であり,意識障害,痙攣を呈し,痙性 (けいせい) 麻痺となることもある1)

 臨床症状に影響を及ぼす因子としていくつかのものが知られている.2〜4週間以内に筋肉注射をした部位や怪我をした四肢に麻痺を生じやすい.また,扁桃摘出術の既往は球麻痺を発症するリスクを高めることが報告されている.思春期以前では,ポリオウイルス感染の発症頻度は男女同様であるが,麻痺は男児に多い.成人では,女性の方が感染リスクは高いが,必ずしも麻痺は多くはない.激しい運動は,ポリオの発症率と重症度を高めることが知られている1)

〔城 裕之〕

■文献

  1. Romero JR: Poliovirus. Mandell, Douglas, and Benett’s Prinncples and Practice of Infectious Diseases, 9th ed (Benett JE, Dolin R, et al eds), Elsevier, 2020; 2020–2026.