ⓔノート8-4-5 デスモソーム蛋白遺伝子異常

 デスモソーム蛋白の遺伝子異常は一般人口の10~16%に分布する.不整脈原性右室心筋症 (arrhythmogenic right ventricular cardiomyopathy: ARVC) を惹起しないものもある.また,ARVCが疑われる症例にデスモソーム蛋白の遺伝子異常が同定されたとしても必ずしも診断の裏付けにはならない.さらに,デスモソーム蛋白の遺伝子異常が同定されないからといってARVCの診断を否定することにはならない.家族歴はARVC診断基準の1つであるが,遺伝子解析は診断基準に含まれていない.ただし,デスモソーム蛋白の遺伝子異常を複数有するARVCはそうでないARVCと比較して重症で予後不良とされるなどリスク予測には役立つ.また,ARVCと確定診断された患者に原因遺伝子変異を同定することで,引き続いて血縁者の遺伝子解析を行い無症候性変異キャリヤーを割り出しフォローアップ対象にすることが可能になる.

〔森田啓行〕